選択の色、決意の色 ページ9
五月雨《喜弥！》
喜弥《あらぁごめんなさいねぇwww》
笑い涙を拭くと《ふー》と落ち着いたのか息を整えた。
喜弥《それでぇ？貴方はこれからどうするのぉ？》
「？」
五月雨《…大変言いにくいのだけれど…Aさんには２つの道が用意されています。》
２つの道？
五月雨《１つ目。主としての権限を返してもらい最悪死にますが此処の主になり主として7日後の厄災に備える。》
喜弥《２つ目ぇ。7日後の厄災に向けて空白の刀剣男士を逃がすための捨て石になるかぁ。》
「捨て石？」
喜弥《えぇ。貴方、此処の刀剣男士の為に死ねる？》
ー誰かの為に死ねる？ー
「……………私は…小さい頃の記憶が殆ど無いです。」
喜弥《何よいきなり《喜弥。聞きましょう。》…。》
「でも…辛い。苦しい。それだけは分かるんです。」
そこに彼は現れた。
冷たい冷たい雨が降っていたと思う。
そこで彼は言った。
『君は誰かの為に死ねるか？』と…
何故そんな事を聞かれたのかは分からないし覚えていない。
でも…その質問に私は…
『死にたく無い。でもその誰かを助けたい。』
だって私は死を否定するから。
しなきゃいけない。
私はそう答えた気がする。
喜弥《そお…なら貴方の答えは出たわねぇ。貴方は誰かの為…【刀剣男士の為に死ぬ】と言う手段を取るのねぇ。》
「いえ、私は死ぬ気はありません。彼らを逃した上で私も生きます。此処の、【主】として。」
今度こそ揺るがない。
喜弥《欲張りで我儘なガキねぇ…でも嫌いじゃないわぁ。五月雨。》
五月雨《はい。》
喜弥《明日から5日で使い物になるように完璧に仕上げなさい。》
五月雨《承知しました。》
喜弥《さぁ時間が無いわぁ！A。明日から稽古してあげる。朝7時に政府に来なさい？返事は？》
「はっはい！」
喜弥《それとぉ…何故そこの本丸が貴方にしか任せられないのか考えてみると良いわぁ。》
それって…
「大倶利伽羅さんにも同じような事言われました。『何故ここに来たのかを考えてみると良い』って…」
喜弥《ふぅん？そうねぇ…じゃぁ“何故貴方じゃなきゃいけないのか”を考えてみなさい。それが鍵でそれが答えよ。》
「？それって「Aちゃーん」
喜弥《…精々頑張りなさぁい》
プツン
スー
燭台切「？今誰かと話してた？」
「…」
燭台切「まぁいいや。歓迎会の準備出来たよ。」
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作者名：朧夜 | 作成日時：2018年12月17日 14時
