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私が13歳になった時、3人目の弟・キルアが生まれた
親戚や両親共々たいそう嬉しがった
それはそれはもうお父様にそっくりなんだもの
ちなみに私にもそっくり
銀色の髪も水色がかった銀色の瞳
そして一族きっての天才くん
あっという間に後継者はキルアしかいないと館中で囁かれた
その囁き声は確かに他の弟たちには届いているわけで…
私はため息を吐いた
『ねぇ?』
「はい、Aお嬢様」
私の呼びかけにツボネが応え、その隣にはゴトーも控える
私はゆっくりと長い廊下を歩きはじめた
『最近この館中で聞こえる噂は知ってる?ほら、今もどこかで聞こえる…どこかしら?』
「二階の応接室です。清掃担当をしている執事たちに直ちにその会話を止めるようにします」
ゴトーが足先をそちらに向ける前に私は手を振って止める
『いいのよ、そこだけ注意したところで意味がないもの』
「しかし、」
『それよりも私はね、一介の執事でさえしっかりと聞き取れることに感心しているの、すごいのね』
「…申し訳ありませんAお嬢様」
『ツボネはさっきからずっと黙ってるけど、どうしたの?』
「この事態を黙認していたこと、誠に申し訳ありません。これからすべての執事たちに話をいたします」
『お母様もよく言ってるけどイルミもミルキも多感な時期なの。それにこの家ではうんざりするほどデリケートで切実な問題が今噂してるやつ』
私はわざわざ大きく息を吸って溜息を吐いた
私にとってはこの問題からは生まれた瞬間から離脱してるので外から眺める形だけど
それでも倦厭してるのだから当事者である弟たちには相当なストレスだろうと思う
『あなた達からしたら赤の他人なわけだし勝手にやってくれって思ってるかもしれないけど、』
「そんなことは一切ありません」
ゴトーは一歩前に出て力強く返す
私はありがとうと返した
『そんな私もこのお世継ぎ問題では外野組なわけだから、協力していきましょう?っていう話』
「このツボネとゴトーが全力を持って対処いたします」
『ツボネ、あなたに頼む意味をわかってね。』
「ええ、必ずや期待にお応えいたしますよ」
過去の追憶に流されそうになるその瞳を私は捉えた
そして、2人を解放した
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逆叉(プロフ) - 初めまして!一気読みしてしまいました…!めっちゃ面白いです!暑い時期ですので、お身体を大切になさって下さい。応援してます! (2020年8月19日 23時) (レス) id: 312e15def1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふぇもふぁ | 作成日時:2020年6月23日 21時