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「あんまり奔放が過ぎると、追いかける方も疲れるんだよ」
『(え、可愛い)』
妙にしおらしいイルミの姿が幼い頃と重なって心臓を射抜かれる
こんな可愛い弟世界中探してもいない
そしてこの表情もなにもかも全部私だけの特権
お姉さん特権最高
「ねえ、ちゃんと聞いてる?」
さすがにフリーズしすぎで怒られたけど
『大丈夫、今まで通りイルミには毎日連絡するし場所も伝える。はあ〜可愛い本当に天使…』
尊すぎて触れるのも躊躇う儚さ
恐る恐る手を伸ばして頭を撫でる
長年撫で続けた頭は形までしっかり覚えている
それに安心感を覚えながら撫で続ける
『いつも姉さんのためにたくさん心配してくれてありがとう。イルミは立派だもの、そんな俯く理由なんてないわ』
イルミは私を見て安堵の溜息をはいた
『それに私、イルミだからこんなに我儘なのよ。他の弟たちにはこんな姿見せられないもの』
そう言って頬にキスをしてまた歩き出す
その手はイルミと繋がったまま
「そんなの、俺だってそうだよ」
『あはは、うん、知ってる』
そう言って笑えばイルミの顔も柔らかくなる
私のために彼が生きるように、私も彼がいたから生きられた
初めてイルミを見た時からずっと
彼は私に生かされていると思ってるようだが
違う
私が彼に生かされたんだ
彼が生きられるように私も生きなければならないと
だから私は実際に弟たちに嘘をついている
私にとって1番大切な家族はイルミ
家族はみんな愛してるけど、彼だけは特別なのだ
『私だってイルミがいなきゃ、こんな世界生きてられないわ』
彼以上に生きる理由はないの
そして遠くの記憶が蘇る
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逆叉(プロフ) - 初めまして!一気読みしてしまいました…!めっちゃ面白いです!暑い時期ですので、お身体を大切になさって下さい。応援してます! (2020年8月19日 23時) (レス) id: 312e15def1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふぇもふぁ | 作成日時:2020年6月23日 21時