きゃ！どんどん強くなっちゃう！3 (ページ20)

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開始から半日

少し疲労が見えるが、開始と変わらず鍛錬を積む二人

その間ディルが攻撃をしたりして注意を逸らす
疲労の中にも研ぎ澄まされていく感覚で攻撃をより早く察知している

『(そろそろかな～)』

そう思ったときヒソカが私を振り返った

バチっと重なった視線
野性的な反射速度
感度の上がった彼には私の微細な念の揺らぎも感知可能なようだ

『(凄いセンス、恐ろし…)』

これが実戦だったら逃げられちゃってたなと思いながら、鍛錬なのでなすがままの彼らの念を吸い取る

「「！！」」

『二人の念を30%吸い取ったからね』

なおもディルの攻撃は続く
そして、鍛錬への気が削がれれば即座に私の叱責が飛び、念を5%吸い取られる

30%でも取りすぎたかなと思ったけれど、約3時間彼らは鍛錬を続けた

「君のお姉さん相当なSだね♡血反吐どころか内臓全部出ちゃいそう…♣」

膝に手をつき肩で息をするヒソカ

「姉さんの前で獅子の子落としなんて言葉は生温いよ」

それを横目で見ながら額の汗を拭うイルミ

「それにまだ、ディル使ってる」

イルミは元より遠い目をさらに遠くした

「え？」

ヒソカは疑問符を飛ばす

「姉さんが動いてからが本当の修行の始まりだよ」

「…」

「血反吐どころじゃないよ。
姉さんの修行を受けるってことは、生きるか死ぬかどっちかだからね」

固まるヒソカをやはり不機嫌に睨んでディルの攻撃を避けていく

そんな二人に私は笑顔で告げた

『ずいぶん余裕なのね。なら安心して負荷をかけられるわね』

「…！」

「！！」

二人の念を5%吸い取った

膝をつくヒソカと動きの止まったイルミ
互いに鍛錬が止まる

『今二人にある念は60～65％。半分も減ってないわ』

その言葉に二人は急ぎ鍛錬を始める

その姿に満足げに微笑んだ

『死ぬなら私のせいで死になさい』

「(恐ろしいくらい曇りのない笑顔)」

「(姉さん本気だな)」

文字通り小一時間後には二人とも血反吐を吐くことになる