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姉さんに指定された場所に姉さんを送り届ける依頼
数時間前に直接依頼されて他の仕事を片付けてやってきた
腕の中で深く眠る姉さんを見ると、心が満ち足りた気持ちになる。
姉さんは人の念を吸収して自分の能力の糧にする力を快く思っていない。
俺たち家族からしたらそんなチート能力極めたら念能力で姉さんに太刀打ちできる人居なくなるんじゃないかと期待しているのに。
しかも姉さん自身ははこれ以上強くなることを望んでいない。
なのにゾルディック家のAとしてはこの能力を家業に活かしたいと望んでいる。
それでも俺は使えるようになってから考えればいいじゃないかと思ってる、だってそっちの方が姉さん側が相手に選択を迫れるし
それにしても、あの男クロロとか言ったっけ。
あれほど悪い虫には気を付けろって言ったのに、悪いどころか厄介極まりない。
相当頭が切れる上に計算高い。
アイツは姉さんを姉さんと見ていない。
姉さんの能力と血に惹かれる悪い虫。
「(姉さんにはこれ以上傷ついて悲しまないでほしい)」
俺はこんなに完璧な人を見たことがない。
人の目に触れれば誰もが振り向く波うつ銀髪と銀色の瞳、天使か神かと見紛う容姿
ゾルディック家きっての天賦の才と稀有な能力
俺がこの人に敵わないと思うのは、その心に傲りも嘲りも微塵としてないこと
末恐ろしいほどの精神力、それが姉さんの力の根源
だからこそ、人からの心ない言葉や裏切りに深く傷つくのだ。
あのクロロとか言う男はそれを呼吸をするかのように平然とやってのけるやつな気がする
近づけたくない。出来るなら今後一切。
でも名刺渡しちゃってたしな
俺ももっと焦らないと、姉さんの力になるなんて夢のまた夢
いつか俺は姉さんに追いつけるだろうか
自分の腕の中で安心して眠る美しい人を眺めた
迷っても仕方がないじゃないか、
そう息を吐いて指定地まで足を早めた
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作者名：ふぇもふぁ | 作成日時：2020年5月27日 0時
