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「俺はAと会ったことがある。
俺の故郷で」

『…あなたの故郷ってどこなの?』

その真剣さに打たれて思わず聞いてしまう
その瞳は言葉よりもよく喋る

ああ、きっとこれだ。私がクロロを苦手な理由。
追いつかない気持ちの高まりがその瞳にだけ宿るから
その訴えかける目が酷く苦手なのだ。

そして何より面が良い。



「流星街だ」

『…ああぁ、』

項垂れるように俯いた、

後にも先にも流星街には一度しか行ったことがない
まだ10になった頃、仕事で行ったのだ

わざと捕まって内部潜入を果たし拷問を受けている時、助けようとしてくれた男の子、

あの子が

『クロロか』

クロロの瞳がほのかに輝いた気がした
本人的にはこの方法での認識など求めていないようだったが、それでも嬉しいようだ。

「あの時はすまなかった」

すかさず謝るクロロに何のことかと首を傾げる

「拷問も情報を引き出すために承知済みだとは思っていなかった。だが、直してくれたお礼がしたかったんだ。」


そういえば、流星街に潜入した時に、私のターゲットにおもちゃを壊されてしまった子たちがいた。その時の話を聞くお礼としてそれ直してあげたっけ


『お礼も謝罪もいらないよ。全部仕事のためにやったことだし、すぐ壊れたでしょ』

私もあなたも念が未熟だったから今みたいに私が望むまで形を保つことができなかった。

『てっきり年下かと思ってた』

「食うものも最低限だったからな」

『こんなに変わるものなのね』

「…」

まじまじとクロロを見る
成長ってすごいな、うっすら思い出した記憶では可愛い顔していたのにな

『私は変わってた?』

私の質問に今度はクロロが私を見た
でもまじまじ見るというより、言い澱むような

「…Aは何も変わっていなかった。目を引く銀髪もその能力も」

そう言い切ったクロロ

『なんだ、残念』

「…」

子供の時と変わらないって言われるとへこむ

不思議な巡り合わせもあるものだと感心していると
不意に手を掴まれた

『?』

真っ直ぐ私を見つめてクロロは言葉を紡いだ

「今度は必ず守る」

『………』









何も言葉が浮かばなかった
その目でその顔で言葉を話さないでほしい

だってそれって

もう


顔に熱が集まるのが自分でもわかる
クロロは予想外の反応に目を丸くしていた

クロロがもう片方の手で私の顔に触れようとした時


「はあーやっと終わったよ、
次クロロだって…ってあれ?」


シャルナークが帰って来てくれた

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作者名:ふぇもふぁ | 作成日時:2020年5月27日 0時

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