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ヒソカside
Aの試合は思った以上に興奮した
彼女を倒すのは相当骨が折れる…
ボクの予想はほとんど当たっていてAに気味悪がられた
念で創造物を生み出す能力…念を自分の体内に留めることですら難しいのに
でも何か引っかかる
なんだろう。Aはボクに能力の一部しか説明してない気がする。どこでそう思ったのか、もう一度試合の内容から振り返ってみた
途中でAが眠そうな顔で話しかけてきたけど、どうしてもこの引っかかりを掴みたくて考え耽る
「うーん、わかんないや♠」
体感数分だったけど、きっと数十分は考えていたようだ
隣にいたはずの彼女はベッドに潜ってよく眠っている
髪も乾いているからあの後起きて整容して眠りについたのだろう。
それにしても、
「普通寝る?♣」
警戒してるのかしてないのか、変なところでは気を張るくせに、こういう時には無防備にもほどがあるな
天下のゾルディック家だから、寝ていても周囲の気配を敏感に感じ取っているのだろうけど
「…」
月の光に照らされる銀色の髪、波打つようなウェーブが艶やかさを際立てる
青白い肌に薄桃色の唇、ふっくらした頬とツンとした鼻先。
その顔の作りの精巧さは人間の手が加わったのではないかと疑うくらいのものだ
これはファンがつくのも頷ける
ただでさえ試合で疲れているのに寝ているときにちょっかい出したら嫌われそうなので我慢する
「嗚呼、でも…嫌われたほうが、本気のキミと戦えるのか…♡」
迷っちゃうなぁ、と静かに笑う
でもまだ我慢、もっとキミを知り尽くしてから、呆気なくこの手で握り潰したい
早く自分の部屋に戻らなきゃ、このままじゃキミを壊しちゃいそうだ
おやすみA
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作者名:ふぇもふぁ | 作成日時:2020年5月18日 20時