King of Curience【オリジナル】 (ページ5)

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「はっ・・・？」

王国？国王陛下？何を言ってるんだ。

「あの、頭大丈夫ですか」

「そう仰られても無理もないでしょう。なので、無理やり説明は致しません。私の口からは――悠様の母上にお尋ねなさって下さい。ご自分の過去について――」

「は・・・？なんで母さんが」

「母上の口から、堅く閉ざされてきた”真実”が話されたとき、また此処にいらして下さい。
いつでも待っています」

「ちょっと、待っ――」

強い風が吹いた。

葉が舞い散る。

気が付いたら、一人で屋上に立っていた。

しばらくは茫然としていたが、部活開始のチャイムが鳴ったとたん我に返り、校庭へと踵を返す。

「何だったんだ、今の・・・」

その日の部活は、それだけで頭の中がいっぱいになり、あまり集中できなかった。

顧問の先生にも、「大丈夫か？」と何度も繰り返し聞かれた。

その意識のまま、帰宅した。

「ただいま」

「おかえりー、遅かったじゃない」

ほら見ろ。

正真正銘、僕の母さんだ。

顔はあまり似てないけど、幼いころ父さんが死んでから、女手一つで育ててくれた。

「何か今日、色んな事が起こってさー」

「んー、どうしたの？」

「朝は不審者軍団に追っかけられるし、放課後なんてさ、俺の遠い血縁って人が、頭おかしくてさー」

「俺のこと、国王陛下だって言ったんだよね」

――ガシャン

食器を片づけていた母さんの手から、

食器が音を立てて落ちた。

「え、大丈夫？割れた？」

「ううん、大丈夫。い、今片づけるから」

―何かがおかしい。

母さんは、何かに脅えているようだった。

手も、震えていた―。

「ねぇ悠。その人がなんて言ったか、詳しく聞かせてくれる？」

「えっ、なんか・・・次のなんとか王国国王陛下に選ばれた、って」

しばらくすると、母さんは立ち上がり、俺の隣に座った。

そして、話し始めた。

堅く閉ざされてきた、

”真実”を。