出会い ページ3
まぁでも、予定より早く帰れるならええわ。そうと決まったらさっさと帰ろ。
デスク上をささっと片付け、パソコンの電源を落とし、独り言のように『お先失礼します』と言ってオフィスを出た。
……お先も何も、定時やないけど。俗に言うブラック企業やからな。
・
会社を出て辺りをぼうっと眺めながら歩みを進める。
休日、ってなんなんやろ……会社に行って、帰ったら飯食って、動画編集して寝ること？平日の間違いちゃうか？なんて。
安定しとるけど、何の変哲もない日々。あの公園に居る子どもたちも、何年後かにはこうなってまうんかなぁ……と考えてみたり。うわぁ、残酷やわぁ。辞めよ。
はぁ…………あ、いや、今日は何の変哲もない日やないわ。美味い(らしい)弁当があるんやった。尚更はよ帰らな。
その後、ふと気付けば駅の近くに着いとった俺は、その弁当屋……ふくふく弁当、の文字を探し始めた。
・
探索開始から十数分。若干諦めつつあったとき、路地から自転車に乗った女性……女の子が出てきた。
その瞬間、不思議と彼女と目が合い、心臓が大きく一回跳ねた。
……なんや、今の。
「こんばんは！お仕事終わりですか？」
「え、あっ、えぇ、まぁ…………はい」
(多分)年下相手に何をどもっとんねーん！！会話スキル無さすぎか！！
「……あ！うちのお弁当、買っていただけたんですね！ありがとうございます〜！」
「あぁ、どうも……」
奢ってもらった、だなんて口が裂けても言えねぇ……この娘の満面の笑顔見てると特に。
「あっ、いけない！ではあの、ここで失礼します！
またどこかで！！」
彼女は腕時計を一瞥するとそう言い、自転車の方向を変えた。
……さっきからなんなん、この胸のざわつき。
なんか、ここで行かせたらきっと後悔する気がする。
俺は離れていくその背中に向かって叫んだ。
「あ、あのっ！！」
すると彼女はぎゅいっとブレーキをかけて止まってくれた。
「はっ……はい！なんでしょう！？」
「え、と……お店って、どちらにあるんですか？」
「この路地を真っ直ぐ行った、左手にあります！どうぞご贔屓に〜。ふふっ」
と俺に笑いかけて彼女は去っていった。
……賑やかで可愛え人やったなぁ。
＊
今更ながら人物紹介
大学の関係でこの地に引っ越し、『ふくふく弁当』で働き始めた。身長は152cm。
明るくて真面目。いい子。幼く見られがちなのが悩み。
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おぼろどうふ(プロフ) - 3回目（笑）失礼します。まだ数話しか投稿されてない時から追ってましたがもう終始好きでした。完結おめでとうございます！新作も楽しみにしてますね(^^) (2021年2月19日 9時) (
レス) id: 464a1b954d (このIDを非表示/違反報告)
ウィング(プロフ) - おぼろどうふさん» 2回もコメントしていただきありがとうございます！不器用でちょっと奥手な可愛いカップルを目指して書いてるのですごく嬉しいです^^ 更新頑張ります！ (2021年2月15日 0時) (レス) id: 6d010e161a (このIDを非表示/違反報告)
おぼろどうふ(プロフ) - 自分すぐ濡場に持っていきたがるのでこういう甘酸っぱいの滅茶苦茶好き…、1話投稿される度にニヤニヤしてます。更新頑張ってください (2021年2月14日 23時) (レス) id: 464a1b954d (このIDを非表示/違反報告)
ウィング(プロフ) - おぼろどうふさん» ありがとうございます〜！そのコメントがめっちゃ好きです……(*^^*) (2021年1月31日 14時) (レス) id: 6d010e161a (このIDを非表示/違反報告)
おぼろどうふ(プロフ) - めっちゃ好き。お弁当から始まる恋愛とか好きじゃん… (2021年1月31日 14時) (レス) id: 464a1b954d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ウィング | 作成日時：2021年1月1日 4時
