二人で ページ19
A視点
「んぅ……あれ」
目を覚ますと、私は薄暗い自室のベッドにいた。目を凝らして時計を見ると、針は0時過ぎを指していた。
店からここまでの記憶がない…………ん？妙に左手が温かい。
頭痛に耐えながら上体を起こすと、そこにはどこか見覚えのある男性が、私の左手を握りながらベッドにもたれて寝ているのが見えた。
…………まさか。
「屯、さん……？」
「んぁっ、寝てもうた……Aさん、邪魔してます〜」
「は、はい……起こしてしまってすみません」
寝起きで少し緩い口調に、不覚にも可愛いと思ってしまった。
……じゃなくて。
「あの、どうしてここに……？」
そして屯さんは丁寧にひとつひとつ説明してくださった。
ざっくりまとめると、高熱で倒れてたところを助けてくださった、とのこと。学生証持っててよかった……。
「そうでしたか……ご迷惑おかけしてすみません」
「いやいや、大丈夫ですよ。僕が見つけとらんかったらどうなっとったか……今は体調どないです？」
「少し怠いのと頭痛がしますが、薬飲んで寝れば治るかと」
本当に、見つけてもらえてよかった。そうホッと胸を撫で下ろしたとき、私たちの腹の虫が同時になった。
「……えへへ、お腹空きました」
「ですね。キッチン借りてええですか？味の保証はないけど、それでもよければ何か作りますよ」
「えっ、いいんですか？寧ろお願いしたいです！」
ふふふ、楽しみだなぁ。何作ってくれるんだろう。
……そもそもうちに何かあるかな。冷蔵庫空っぽだったりして。
「あの、Aさん……おこがましいお願いなんですけど、風呂借りてもええですか？」
「もちろん！じゃあついでに、一緒にご飯食べません？」
「え？」
「え？だって屯さんもご飯食べてない……んですよね？
ほら、一人より二人で食べる方が美味しいじゃないですか！」
……本音は私が独りで食べるの嫌だから、なんだけどね。なんとなく寂しくて。
「……まぁ確かに。じゃあ、そうしましょか」
「えへへ、はい！」
そして屯さんはコンビニに買い出しに行ってくれた。何から何まで申し訳ない……けど、すごくありがたい。
その間、少し元気になった私は大きめのTシャツと前間違って買った大きすぎるジャージ、それからゲスト用の布団、使い捨て歯ブラシなど一式を(一応)準備した。
……泊まってってくれたり、しないかな。なんて。
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おぼろどうふ(プロフ) - 3回目（笑）失礼します。まだ数話しか投稿されてない時から追ってましたがもう終始好きでした。完結おめでとうございます！新作も楽しみにしてますね(^^) (2021年2月19日 9時) (
レス) id: 464a1b954d (このIDを非表示/違反報告)
ウィング(プロフ) - おぼろどうふさん» 2回もコメントしていただきありがとうございます！不器用でちょっと奥手な可愛いカップルを目指して書いてるのですごく嬉しいです^^ 更新頑張ります！ (2021年2月15日 0時) (レス) id: 6d010e161a (このIDを非表示/違反報告)
おぼろどうふ(プロフ) - 自分すぐ濡場に持っていきたがるのでこういう甘酸っぱいの滅茶苦茶好き…、1話投稿される度にニヤニヤしてます。更新頑張ってください (2021年2月14日 23時) (レス) id: 464a1b954d (このIDを非表示/違反報告)
ウィング(プロフ) - おぼろどうふさん» ありがとうございます〜！そのコメントがめっちゃ好きです……(*^^*) (2021年1月31日 14時) (レス) id: 6d010e161a (このIDを非表示/違反報告)
おぼろどうふ(プロフ) - めっちゃ好き。お弁当から始まる恋愛とか好きじゃん… (2021年1月31日 14時) (レス) id: 464a1b954d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ウィング | 作成日時：2021年1月1日 4時
