仕事 ページ2
そして迎えた16時。
店のスケジュールは、平日は6時〜最高で22時半、週末は8時〜13時までで、休憩を挟んで16時〜19時に配達があり、水曜日は定休日となっている。
今日は日曜日で配達があるため、これから自転車に乗って近所へお弁当を届けに行く。
「それじゃあ頼んだよ。道に迷っても焦らずゆっくり、じゃよ」
「はい！では、いってきまーす！」
私はお弁当がぐちゃぐちゃにならないよう、慎重に自転車を漕ぎだした。
・
最初のお届け先は、店から15分ほど先にある会社だった。
インターホンを押して数分後、サラリーマンの方がお見えになった。
「あれ、見ない顔ですね」
「あ、えーと……常連さん、ですか？」
「いやいや、たまーに頼む程度ですよ。いつもお爺さんが配達してくれるからさ」
「あぁ、確かにそうですもんね。
ええと、今日から働かせてもらっているんです。新参者が言うのもなんですが、これからも是非贔屓にしてくださいね！」
料金を頂戴し、私は再びサドルにまたがった。
「ではまたー！」
よし、この調子で頑張るぞー！
・
tn視点
「富田林、ちょっと」
「んーっ……なんや？」
仕事中、伸びをしとるときに同僚に話しかけられた。手には何やら袋がある。
「お前今日はもうあがれよ。俺やっとくから」
「は？いや別に」
「いいからいいから！こういうときは素直に従っといた方が得だぞ〜？」
「……はっはーん、さてはお前、昨日の大ポカ引き摺っとるな？」
書類のミスに留まらずお茶汲みも失敗した言うから俺が肩代わりしたったの、気にしとるんやろな。真面目な奴やな。
「うぐっ……あぁそうだよ。悪ぃか？」
「そうとは言ってへんやん。律儀やなぁと思うただけやで」
「む……そうか。まぁいい。本題に入るが、これ、よかったら受け取ってくれ！たまに頼む弁当なんだが、これがまぁ美味いんだよ」
「はえーそうなんや。『ふくふく弁当』ねぇ……」
聞いたことあるような、ないような。駅の近くにあんねやったら、ちょっと探してみよ。
「……よし！これで借り1な！」
「は？！なんでや」
「お前の仕事を肩代わりすんので俺の借りを返すだろ？んで、美味い弁当奢ったから俺の貸し1」
「はぁ……まぁええけど」
「よっしゃ！じゃあ次もまた何かあったら頼むわ〜」
と言ってあいつは席へ戻っていった。ずる賢い奴め……前言撤回や。
＊＊＊
話し相手は名も無きモブです()
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おぼろどうふ(プロフ) - 3回目（笑）失礼します。まだ数話しか投稿されてない時から追ってましたがもう終始好きでした。完結おめでとうございます！新作も楽しみにしてますね(^^) (2021年2月19日 9時) (
レス) id: 464a1b954d (このIDを非表示/違反報告)
ウィング(プロフ) - おぼろどうふさん» 2回もコメントしていただきありがとうございます！不器用でちょっと奥手な可愛いカップルを目指して書いてるのですごく嬉しいです^^ 更新頑張ります！ (2021年2月15日 0時) (レス) id: 6d010e161a (このIDを非表示/違反報告)
おぼろどうふ(プロフ) - 自分すぐ濡場に持っていきたがるのでこういう甘酸っぱいの滅茶苦茶好き…、1話投稿される度にニヤニヤしてます。更新頑張ってください (2021年2月14日 23時) (レス) id: 464a1b954d (このIDを非表示/違反報告)
ウィング(プロフ) - おぼろどうふさん» ありがとうございます〜！そのコメントがめっちゃ好きです……(*^^*) (2021年1月31日 14時) (レス) id: 6d010e161a (このIDを非表示/違反報告)
おぼろどうふ(プロフ) - めっちゃ好き。お弁当から始まる恋愛とか好きじゃん… (2021年1月31日 14時) (レス) id: 464a1b954d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ウィング | 作成日時：2021年1月1日 4時
