28話 お見舞い ページ30
〜それから数日〜
伊黒「ほら、食べろ」
A「い、いやです!自分で食べられます!」
伊黒「ほぉ、折れた右腕か疲労で使い物にならない左手かどちらで食べるか、これは見ものだな。」
A「そんな意地悪言わないでくださいよー師範にあーんしてもらうなんて恥ずかしくって…」
私は上目遣いで、師範の同情を誘うが、
伊黒「だめだ、食べろ」
師範はずっとこの調子だ。
胡蝶さんが言うには師範は多かれ少なかれ今回、私と甘露寺さんが負傷したことに責任を感じてるのかもしれないとのこと。
師範は私達を助けてくれた。
師範のおかげで今、私は生きている。
責任なんて感じることはないのに。
あの日から師範は、この病室につきっきりだ。
いや、初日は甘露寺さんの病室にも行っていたようだが、一日で完治したと噂で聞いた。
それから、師範は毎日甲斐甲斐しくこの部屋に来るなり、
甘味を買って来てくれたり、
ご飯を食べさせようとしてくれたり、
お世話をしてくれる。
私はそんな風に師範と会える時間が嬉しかった。
でも、甘露寺さんの怪我が長引いていたら、師範は甘露寺さんにも同じようにしたのだろうか、
お土産や、食事のお世話だけでなく
着替えや身の回りの世話までしたのだろうか…
たまにそんな考えが頭を過ぎった。
もちろん私は着替えの世話は断っているが、
師範と甘露寺さん強くて綺麗な2人はとてもお似合いで、また私の思考を悪い方へと導いていく。
伊黒「A?腹が減ってないのか?それとも調子が悪いのか?誰か呼ぼ…」
A「呼ぼなくて大丈夫です!元気ですよ!もう師範は心配症だなあ〜」
なんて私は微笑んで見せた。
そうだ。ネガティブになっていたって仕方がない。
今、師範はここにいて、
今は私だけを見てくれている。
それだけで十分じゃないか。
A「師範、早く!」
伊黒「?」
A「食べさせてくれるんでしょ?」
伊黒「あぁ、もちろんだ」
師範は、少し嬉しそうな顔をした。
私はそれから2週間ほど蝶屋敷にお世話になって、
あとは師範の屋敷で経過観察をすることになった。
あの日、師範が鬼を斬ったと言うことは知っているが、どのように斬ったかは教えてくれなかった。
噂では、あの鬼は師範にどちらを助けるか選択を迫ったのだとか。
師範はどちらを選んだのだろう…
2人とも生きているから答えはわからないが、
きっと甘露寺さんだったんだろうな、
なんて思った。
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みぃたん(プロフ) - 林檎さん» ありがとうございます!続編はもっともっと楽しんでいただけように、がんばって書きます♪ぜひぜひ覗いてみてくださいね! (2020年2月4日 0時) (レス) id: 0d90eb6cba (このIDを非表示/違反報告)
みぃたん(プロフ) - ドラゴンちゃんさん» 応援ありがとうございます!続編も少しずつではありますが更新していきますのでそちらも読んでいただけると嬉しいです♪ (2020年2月4日 0時) (レス) id: 0d90eb6cba (このIDを非表示/違反報告)
みぃたん(プロフ) - 夏蜜柑さん» 続編も伊黒さんの魅力たっぷりに書けるようにがんばりますね♪いつもありがとうございます! (2020年2月4日 0時) (レス) id: 0d90eb6cba (このIDを非表示/違反報告)
みぃたん(プロフ) - カンナさん» ありがとうございます!伊黒さん素敵ですよね!またよろしければ続編も見てくださると嬉しいです♪ (2020年2月3日 23時) (レス) id: 0d90eb6cba (このIDを非表示/違反報告)
林檎 - うわあああ(嬉しさの叫び) 楽しかったです!推しは伊黒さんです!楽しかったです!(大切なことなので二回言いました) (2020年2月1日 22時) (レス) id: 618a98841b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みぃたん | 作成日時:2020年1月13日 11時