27話 自分のことより ページ29
〜伊黒side〜
ザシュッ
甘露寺の所にいた鬼の首が飛んだのを確認した。
そして、俺は愛おしい彼女の名を呼ぶ。
伊黒「A!!!!」
俺は彼女を抱きかかえ、鬼の攻撃から庇った。
シュッ
だが、あと少しのところで鬼の攻撃が頬を掠める。
が、動じることなく、俺はAの腰にささった日輪刀を握り、三体目の鬼を斬った。
二体目の鬼は、俺が自分の日輪刀を鬼の首目掛けて投げつけて斬った。できる自信はあった。
ただ、刀を投げると言う行為はリスクを完全には拭い切れてはいなかった。直接斬る方が確実だと言うことは言うまでもなかった。
だが、俺は選んだ。
俺自身が駆けつけるのは、
Aの方だと。
いや、選んだと言うのは、
少し表現が違うかもしれない。
体が先に動いたんだ。
考える間もなく足がAの方を向いたのだ。
もちろん、甘露寺のことも好いていた。
ずっと大輪のように眩しい彼女に惹かれていた。
しかし、今は…
A「し、師範…」
今にも消えてしまいそうな声で、愛おしい女は心配そうに俺の頬を見る。
A「師範、ごめんなさい…」
彼女は申し訳なさそうに謝るが、
お前の方が酷い怪我をしているだろう。
こんな姿になるまでよくやった。
それに比べて俺は…
もっと早く駆けつけていれば、
Aも甘露寺もこんな怪我をしなかっただろう、
俺は自分の無力さを悔いる…
はぁ…
俺の溜息を聞いて、さらにAはぼたぼたと大粒の涙を輝かせた。
A「ごめんなさいごめんなさい…」
俺は彼女の涙を見て驚いたが、拭ってやった。
伊黒「違うんだ。その、お前達がこんな怪我をするまで、この場に駆けつけることができなかった自分を悔いていた。」
すると、
A「そんなことないです!師範は私達のこと助けてくださいました!それに、あの、私は師範が来てくださって嬉しかったです…」
彼女はもう一度俺の頬に手を当てていたが、ふいに俺と目が合い、下を向いてしまった。
しかし、ほんのり顔が赤らんで見えた気がする。
自分のことより人のことばかり心配するAを俺は愛おしく思った。
伊黒「隠は呼んである。甘露寺の方にも着いているだろう。お前も早く蝶屋敷に行かないとな、」
A「へ!?」
俺は降ろしてと懇願するAを抱き上げ、蝶屋敷に向かった。
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みぃたん(プロフ) - 林檎さん» ありがとうございます!続編はもっともっと楽しんでいただけように、がんばって書きます♪ぜひぜひ覗いてみてくださいね! (2020年2月4日 0時) (レス) id: 0d90eb6cba (このIDを非表示/違反報告)
みぃたん(プロフ) - ドラゴンちゃんさん» 応援ありがとうございます!続編も少しずつではありますが更新していきますのでそちらも読んでいただけると嬉しいです♪ (2020年2月4日 0時) (レス) id: 0d90eb6cba (このIDを非表示/違反報告)
みぃたん(プロフ) - 夏蜜柑さん» 続編も伊黒さんの魅力たっぷりに書けるようにがんばりますね♪いつもありがとうございます! (2020年2月4日 0時) (レス) id: 0d90eb6cba (このIDを非表示/違反報告)
みぃたん(プロフ) - カンナさん» ありがとうございます!伊黒さん素敵ですよね!またよろしければ続編も見てくださると嬉しいです♪ (2020年2月3日 23時) (レス) id: 0d90eb6cba (このIDを非表示/違反報告)
林檎 - うわあああ(嬉しさの叫び) 楽しかったです!推しは伊黒さんです!楽しかったです!(大切なことなので二回言いました) (2020年2月1日 22時) (レス) id: 618a98841b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みぃたん | 作成日時:2020年1月13日 11時