25話 ごめんなさい ページ27
A「甘露寺さん!!!!」
そう私の叫びは木々を折りながら遠くに飛ばされた甘露寺さんの音でかき消された。
鬼1・鬼2「我等二人なら柱とて造作もないわ」
私はもう声も出なかった。
どうしよう…甘露寺さんもあれじゃきっとかなりの致命傷を負っただろう…
あぁ、全て私のせいだ。
屋敷を出る時、師範に言われたのに。
気を引き締めろって。
なのに、私は油断してしまった。
継子として、師範は私にいろんなことを教えてくれたのに。こんなのじゃ、師範に合わせる顔がないよ…
いや、
合わせる顔がないんじゃない。
"顔を合わすこと"自体ができないんだ。
きっと、もう生きて師範に会うことはできない。
この状況を考えるとそう思わざるを得なかった。
甘露寺さんが飛ばされた方向は、樹海の入り口の方だ。きっと、致命傷を負っていたとしても、甘露寺さんなら逃げ切れる。
これは私の不徳の致すところだ…
だから、
私はせめてもその償いをしなければならない…
そう、私は甘露寺さんが逃げ切るまでの、
A「時間稼ぎをするまでだ!!!」
残りの力を振り絞って刀を握り、
鬼は向かって走り寄る。
鬼1「健気なこった。これで、楽にしてやるよ!」
鬼は大きく組んだ両手を空に掲げ、
勢いよく振りかぶった。
来る
師範…
一瞬のうちに、今までの出来事が走馬灯のように駆け巡る。だけど、思い出すのは師範と出会ってからの出来事ばかりだった。
師範、ごめんなさい。
こんな未熟な継子で。
師範、ごめんなさい。
師範の言うことしっかり聞いていればよかったです。
師範、ごめんなさい。
私こんなのだけど、師範のこと大好きなんです…
師範…
胸いっぱいに想いを募らせ、
深く目を閉じると、
なぜか、一番聞きたい優しい声が聞こえた気がした。
鬼1「ぐわああああ!!!」
酷く穢らわしい鬼の声に私はハッとする。
死んでない…???
おかしい。どうして。
あの距離の攻撃、鬼が外すわけない。
何より今の叫び声…
私は恐る恐る視線を上げた。
A「え… どうして…」
そこには、私の大好きな人が
羽織りをなびかせ立っていた。
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みぃたん(プロフ) - 林檎さん» ありがとうございます!続編はもっともっと楽しんでいただけように、がんばって書きます♪ぜひぜひ覗いてみてくださいね! (2020年2月4日 0時) (レス) id: 0d90eb6cba (このIDを非表示/違反報告)
みぃたん(プロフ) - ドラゴンちゃんさん» 応援ありがとうございます!続編も少しずつではありますが更新していきますのでそちらも読んでいただけると嬉しいです♪ (2020年2月4日 0時) (レス) id: 0d90eb6cba (このIDを非表示/違反報告)
みぃたん(プロフ) - 夏蜜柑さん» 続編も伊黒さんの魅力たっぷりに書けるようにがんばりますね♪いつもありがとうございます! (2020年2月4日 0時) (レス) id: 0d90eb6cba (このIDを非表示/違反報告)
みぃたん(プロフ) - カンナさん» ありがとうございます!伊黒さん素敵ですよね!またよろしければ続編も見てくださると嬉しいです♪ (2020年2月3日 23時) (レス) id: 0d90eb6cba (このIDを非表示/違反報告)
林檎 - うわあああ(嬉しさの叫び) 楽しかったです!推しは伊黒さんです!楽しかったです!(大切なことなので二回言いました) (2020年2月1日 22時) (レス) id: 618a98841b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みぃたん | 作成日時:2020年1月13日 11時