17話 所用 ページ19
〜あれから数日〜
あの夜の出来事が嘘のように私と師範はいつも通りの日常を過ごしている。今日は、近くの街まで一週間分の食材の買い出しに行く日だ。
私は、この食材の買い出しをいつも楽しみにしている。
それは、師範と一緒に出かけることができるから。
二人分の食材とはいえ、一週間分の量と結構な量がある。運べないわけじゃないけど、師範はいつも心配して買い出しについてきてくれる。
やっぱり、師範は優しい人だ。
伊黒「ぼけっとするな、早く行くぞ日が暮れる」
A「は、はい!!」
いつもは汚れてもいい丈夫な隊服で過ごしているが、
今日は週に一度の師範と外出できる日。
お気に入りの羽織を着て、簪をさし、
精一杯のおしゃれをした。
私は急いで前を歩く師範の元へと駆け寄る。
帰る頃には、空はオレンジ色に染まっていた。
二つの影が隣り合って歩く。
A「たくさん買えましたね!今日の夕食は何にしましょう?」
伊黒「和食の気分だ」
A「奇遇ですね!私もです!じゃあ、今日の夜ご飯は和食に決定ですね♪」
そう言って師範に笑顔を向けた。
でも、その後からずっと師範からの視線を感じる。
伊黒「…………」
A「…………」
伊黒「…………」
A「もう、どうしたんですか、師範、そんなにずっと見ないでくださいよ」
視線に耐えかねた私が照れ隠しで言う。
伊黒「A、今日簪をつけていなかったか?」
A「つけてましたよ!ほら……」
私は簪を触ろうとするが、一向にその簪に触れることはできない。
A「あれ…?」
伊黒「落としたのではないか?今日はたくさん歩いた」
A「そうかもしれないです…」
可愛いくてお気に入りの簪だったのにな…
私は声には出さないものの、内心ショックだった。
少し悲しい気持ちになりながら、屋敷に戻った。
そして、買った食材を手際よく片付けていく。
さてと、
次は夕食の準備かなーなんて思っていると、
伊黒「Aすまない、所用を思い出した。夕食までには戻る。準備を頼んでもいいか?」
A「は、はい、準備は任せてください」
伊黒「すまないな、たのむ」
師範はそう言うと、足早に出て行った。
師範、何の用事だったんだろ、
師範が用事を忘れるなんて珍しい、
でも、そんなちょっとドジな感じの師範も可愛いな
なんて思いながら、私は師範の好きなとろろ昆布をたっぷり使った煮物を作ることにした。
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みぃたん(プロフ) - 林檎さん» ありがとうございます!続編はもっともっと楽しんでいただけように、がんばって書きます♪ぜひぜひ覗いてみてくださいね! (2020年2月4日 0時) (レス) id: 0d90eb6cba (このIDを非表示/違反報告)
みぃたん(プロフ) - ドラゴンちゃんさん» 応援ありがとうございます!続編も少しずつではありますが更新していきますのでそちらも読んでいただけると嬉しいです♪ (2020年2月4日 0時) (レス) id: 0d90eb6cba (このIDを非表示/違反報告)
みぃたん(プロフ) - 夏蜜柑さん» 続編も伊黒さんの魅力たっぷりに書けるようにがんばりますね♪いつもありがとうございます! (2020年2月4日 0時) (レス) id: 0d90eb6cba (このIDを非表示/違反報告)
みぃたん(プロフ) - カンナさん» ありがとうございます!伊黒さん素敵ですよね!またよろしければ続編も見てくださると嬉しいです♪ (2020年2月3日 23時) (レス) id: 0d90eb6cba (このIDを非表示/違反報告)
林檎 - うわあああ(嬉しさの叫び) 楽しかったです!推しは伊黒さんです!楽しかったです!(大切なことなので二回言いました) (2020年2月1日 22時) (レス) id: 618a98841b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みぃたん | 作成日時:2020年1月13日 11時