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12話 誕生日 ページ14

家に着く頃には、すっかり日は暮れていた。



ガラガラ



A「ただいま」

私は引き戸を開けた。家の中は不自然な程に暗い。

きっと寄り道して、遅くなったこと怒ってるだろうな、なんて考えていたが、一向に出迎えはない。


いつもなら妹が「お姉ちゃん遅いよー」なんて膨れっ面でやってくるのに、



A「ただいま」

帰ったよ、遅くなっちゃってごめん


そう言おうと思ったのに、知った声が私の言葉を遮った。

父「おかえり」


A「!?」


血の気がサッと引く。


横から父の声がしたからだ。いや、した気がした。
だって、振り向くとそこには誰もいなかったのだから。


こんなのはじめてた。

しかも、妙に現実味を帯びた声だった。


この奇妙な現象に子どもながらに、恐怖という恐怖を覚える。


けど、父がこの家にいるわけがない。
父から逃げてこの家にやってきたんだ、それに、父の住むあの家を出てから数年経ってる、大丈夫、


大丈夫、


きっと、気のせい


 

さっきも確認したじゃないか、
誰もいなかったじゃないか

必死で冷静を装おうとしたが、
以前、父に殴られたお腹が痛みはじめる。


 

そんな気持ちを振り払うように、母と妹が待つ居間に向かった。




A「ただいまー もう何ー?サプライズー?真っ暗だとさすがに私もこわくなっちゃうじゃんー」

そう明るく話しながら襖を開けた。





シーン






私の声が静かにこだまする。

おかしいな、なんて思って視線をあげると


『お姉ちゃん お誕生日おめでとう!』


という、大きな幕にカラフルな花の飾り
机の中央には私の大好きな母の手料理が並んでいた


純粋に驚いた。

しっかり者の母がネギを切らしていたのも、妹が私を家から出すように言ったのもこのためだったのか、

 



嬉しい。


幸せだ。



私の心はあたたかい気持ちでいっぱいになった。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 伊黒小芭内   
作品ジャンル:アニメ
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みぃたん(プロフ) - 林檎さん» ありがとうございます!続編はもっともっと楽しんでいただけように、がんばって書きます♪ぜひぜひ覗いてみてくださいね! (2020年2月4日 0時) (レス) id: 0d90eb6cba (このIDを非表示/違反報告)
みぃたん(プロフ) - ドラゴンちゃんさん» 応援ありがとうございます!続編も少しずつではありますが更新していきますのでそちらも読んでいただけると嬉しいです♪ (2020年2月4日 0時) (レス) id: 0d90eb6cba (このIDを非表示/違反報告)
みぃたん(プロフ) - 夏蜜柑さん» 続編も伊黒さんの魅力たっぷりに書けるようにがんばりますね♪いつもありがとうございます! (2020年2月4日 0時) (レス) id: 0d90eb6cba (このIDを非表示/違反報告)
みぃたん(プロフ) - カンナさん» ありがとうございます!伊黒さん素敵ですよね!またよろしければ続編も見てくださると嬉しいです♪ (2020年2月3日 23時) (レス) id: 0d90eb6cba (このIDを非表示/違反報告)
林檎 - うわあああ(嬉しさの叫び) 楽しかったです!推しは伊黒さんです!楽しかったです!(大切なことなので二回言いました) (2020年2月1日 22時) (レス) id: 618a98841b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みぃたん | 作成日時:2020年1月13日 11時

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