21話 任務 ページ23
これはさすがにやばいかも…
お願い、動いて…
私の足…
A「私としたことが…これじゃ、師範に合わせる顔がないじゃん…」
折れた右腕をもう片方の手で支え、深い傷のできた左脚を引きずりながら私は、木々の間を縫って逃げていた。
〜遡ること6時間前〜
私は翌日になっても、昨日の師範の顔が忘れられず憂鬱な気持ちでいっぱいだった。
A「はぁ…」
伊黒「どうした、A。いつもばかみたいな量を食べるお前が今日は朝食も食べないなんて、風邪か？胡蝶めのところで入院でもしてくるか」
なんて冗談めかしていう師範だったけど、
ペタッ
ひんやりとした師範の手が私のおでこに触れる。
A「きゅ、急に何するんですか！風邪じゃないですよ！この通りピンピンしてますもん！！」
ったく、人の気も知らないで…この人は…
私は残りの気力を振り絞り、元気な姿を装った。
伊黒「ならよかった、俺は忙しい。この屋敷に細菌なんて持ち込まれた日には堪らないからな」
A「あぁそーですかー師範は私の心配なんてしてくれないんだ…」
悲しげな声を出して、
ぷいっと私はそっぽを向く。
伊黒「冗談だ、心配した」
そう言うと、師範は少し焦ったような声を出して、私の頭をぽんぽんと撫でてくれた。
私はずるい女だ。
そんな風に拗ねると師範が優しくしてくれることを知っている。
こうしてる時は、師範は私のことを見てくれてる。
一瞬でも私は師範を独り占めしたかったのだ。
いつも通り、師範との時間を楽しんでいると
鴉「指令指令 A任務ダ準備シロ」
うるさい鴉が邪魔をした。
A「はぁ…任務か… やだなあ…」
今日は稽古でも師範と一緒に過ごしていたかった。
伊黒「Aも隊士である以上、任務はこなさないといけないしな。まぁ、せいぜいやってこい」
師範にそう言われてしまっては、行くしかないじゃん…
A「はぁい、師範がそう言うなら…」
私は重い腰を上げる。
そして、準備を整え玄関に向かった。
伊黒「A、気を引き締めろ。昨日からずっとぼんやりしてるからな、そんなんじゃお前ほどの実力があっても怪我をするぞ」
A「ありがとうございます、気を付けます」
私は屋敷を出た。
師範は心配症だなあ
これくらい大丈夫だって、
そんなことを思いながら、私は鴉の案内を受け、何里も離れた樹海を目指して走った。
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みぃたん(プロフ) - 林檎さん» ありがとうございます！続編はもっともっと楽しんでいただけように、がんばって書きます♪ぜひぜひ覗いてみてくださいね！ (2020年2月4日 0時) (
レス) id: 0d90eb6cba (このIDを非表示/違反報告)
みぃたん(プロフ) - ドラゴンちゃんさん» 応援ありがとうございます！続編も少しずつではありますが更新していきますのでそちらも読んでいただけると嬉しいです♪ (2020年2月4日 0時) (レス) id: 0d90eb6cba (このIDを非表示/違反報告)
みぃたん(プロフ) - 夏蜜柑さん» 続編も伊黒さんの魅力たっぷりに書けるようにがんばりますね♪いつもありがとうございます！ (2020年2月4日 0時) (レス) id: 0d90eb6cba (このIDを非表示/違反報告)
みぃたん(プロフ) - カンナさん» ありがとうございます！伊黒さん素敵ですよね！またよろしければ続編も見てくださると嬉しいです♪ (2020年2月3日 23時) (レス) id: 0d90eb6cba (このIDを非表示/違反報告)
林檎 - うわあああ(嬉しさの叫び） 楽しかったです！推しは伊黒さんです！楽しかったです！(大切なことなので二回言いました) (2020年2月1日 22時) (レス) id: 618a98841b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みぃたん | 作成日時：2020年1月13日 11時
