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コナンくんが去って行き、再び屋上は零と私の二人だけになった。
全て終わったんだ、何事も無く終われたんだ。やっと、そう思った。
屋上の扉を向いていたがくるりと零の方を向いて、ズンズンと零に近付いていく。今の私はどんな酷い顔か分からない、だから下を向いたままだった。

「A、その、すまな──」

──無事に生き残ったら、全部問いただしてやるんだから。

ここに来る途中、私が零に放った一言。零はそれを思い出したのか、はたまた今の態度のせいか、私が怒っていると勘違いして慌てて謝罪をしようとした。

「生きてて良かった、良かった」

ほとんど押し倒すかのような勢いで零に抱き着く。ちゃんとあたたかい。生きてる。

「A……!?」

零は驚きながらも傷だらけのたくましい腕で私をしっかりと受け止めてくれた。今までもこの腕に支えられてきたんだなあ、なんて。

「なんで私に知らせてくれなかったのとか、私に任せてくれなかったのとか、一人で何とかしようとするのとか……いっぱい言いたいことはあるよ。でもそれは全部、零の思いやりだって分かってるから。だから怒ってるけど、怒らない」

零が無事で嬉しい、一人で全部やろうとしていたのが腹立たしい、守って貰ってばっかりで悔しい、でもそれくらい零にとって私が大切な存在だっていうことがたまらなく嬉しい。
色々な感情が心の中でぼこぼこと溢れて暴れる。そんなごちゃ混ぜの感情が怒りとして、そして涙となって現れた。

黙りこくってボロボロと涙をこぼす私を見て、零は困ったような顔をした。プラーミャに爆弾をつけられた時も、液体火薬が渋谷を流れた時もこんな情けない顔はしなかったのに。

「分かったよ、僕が悪かった。だから泣き止んでくれないか、A」

零は捨てられた子犬のような声で謝罪を口にしながら、親指で私の涙を拭ってくれた。涙は流れたままだが、もう心は落ち着いていた。




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毎度のことながら待たせてすみません…
いつも読んでいただいてありがとうございます!

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設定タグ:名探偵コナン , ハロウィンの花嫁 , 降谷零   
作品ジャンル:アニメ
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きりきりまい(プロフ) - ユリアさん» コメントありがとうございます。最後まで読んでいただきありがとうございました!感想が励みになります、新作も書こうと思っているのでまたどこかでお会いできたらいいですね。本当にありがとうございました!! (2023年4月30日 15時) (レス) id: fbf43580c0 (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - とても面白かったです!お疲れ様でした (2023年4月30日 7時) (レス) @page37 id: 35eeb15dbe (このIDを非表示/違反報告)
きりきりまい(プロフ) - 未零 ♪mirei♪さん» コメントありがとうございます!未零さんの作品も楽しく読ませて頂きました。お互い完結まで頑張りましょう! (2022年12月29日 8時) (レス) id: fbf43580c0 (このIDを非表示/違反報告)
未零 ♪mirei♪ - 私も、ハロウィンの花嫁の小説作っているんですけど…作品の進みが、尋常じゃないほどすごいです!!!!!!同じ、小説を作っている身として尊敬します!更新待ってます!! (2022年12月24日 23時) (レス) id: 8da36c452f (このIDを非表示/違反報告)
きりきりまい(プロフ) - 名無しさんさん» コメントありがとうございます。そのお言葉が励みになります。自分のペースで最後まで更新していこうと思うので、最後までお付き合いよろしくお願いします! (2022年11月23日 1時) (レス) id: fbf43580c0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きりきりまい | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2022年7月1日 18時

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