1人じゃないんだから【ハ/ロ/嫁】

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「これが5人揃った最後の日の出来事だ」

そう言って零は締めくくった。もう会えないということを事実としては受け止められているのだが、最後という言葉はやっぱり心にくる。

「その時現場にいた外国人に、松田刑事は名刺を渡したんだね」
「うん。渡すところ見てたよ」

にしても3年も名刺を持ち続けているとは……。陣平に会えたら何を言いたかったんだろう、今となっては分からないけど。

「つまり警視庁前での事件の被害者はその時の……」

そういうことになるだろうな。コナンくんの隣で頷く。

「だがその男が何者だったかは分からない」
「その事件のことは一切報道されていない。ガス漏れとして処理されたよね」
「公安が介入して全ての情報を上が封印したんだ」
「その時回収された爆弾はどうなったの？」

コナンくんを連れてきた人がノートパソコンを操作し、こちらに見えるように回転させる。そこには『倉庫爆発 作業員5人死亡』という見出しの記事が載っていた。

「爆弾は解析するために1つのシェルターに運び込まれたの。でも成分などを解析する前に謎の爆発が起きて、関係者は全員……」

全員が沈黙したタイミングで後ろの人がノートパソコンをクリックした。するとコナンくんの携帯電話が音を鳴らした。

「今回しか使えないけど風見とAの連絡先。それからあの時松田が解体した爆弾と僕の同期の写真も送っておくよ」

隣からコナンくんのスマホの画面を見る。そこには同期6人が映る写真が表示されていた。仲睦まじく笑い合いながら。

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