▽ ページ7
「はぁぁ…かわええなぁ」
ベッドにぼふっと倒れ込み、溜息と同時にそうこぼす。
さっきまでA先輩と連絡しあっていたスマホをゆっくりと撫でる。
「いつかAって呼びたいなぁ」
ひとりごとなら何でも許される。
だから、今一番したい自分の欲を吐き出した。
名前で呼んだら、A先輩はどんな反応をするだろか。
気持ち悪がられるかな。いや、先輩に限ってそんな事は無いだろうな。
きっとあの綺麗な甘酸っぱい笑顔で笑ってくれるんだろうな。
そう妄想しただけで胸がきゅうと苦しくなって、顔をクッションにうずめた。
でも、もし拒絶されたら…
“ごめん、ちょっと無理かも”
夕方に言われたあの言葉を思い出す。
意味は違うとしても、あんな言葉をもう一度聞いたらそれこそ俺は壊れてしまう。
「俺と友達なんかになったんが運の尽きやんな、先輩」
拒絶されたなら、俺はそれこそA先輩の犬にでも、下僕にでもなる。
使ってくれなかったとしても、A先輩の近くにいれるならなんにだってなってやる。
「A先輩、俺、アンタに服従してもええんやで」
振られた時から、いや、初めて見た日から、俺はずっとそうしたかった。
続く
お気に入り登録で更新チェックしよう!
最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している
←▼
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 298人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
きつねくん。(プロフ) - 夢見がちさん» とっても嬉しいです！ありがとうございます…！がんばります (3月17日 15時) (
レス) id: b198eaf02a (このIDを非表示/違反報告)
夢見がち - 好きです。文章の書き方とか、表現の仕方とか、もう、最高です。 (3月12日 20時) (レス) id: cc73f1a66b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ヴォルペ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/my.php
作成日時：2024年3月10日 1時
