１１話 ページ13
それから話は特に進むことも無く、ただ時間だけが過ぎていった。
須永「武智の奴なんか楽しそうじゃね？」
『…、』
須永くんが窓の外を見て言った
里見「あいつのことだから100パー話盛ってるよ」
兵頭「警察も多いし、なんか注目されてんなあ俺」
真壁「お前じゃなくてこの状況が、だろ」
兵頭「俺じゃないかあー」
コントみたいにスラスラ言葉を交わす彼らに、
��不吉��だと思われるかもしれないけど思わず小さく笑ってしまった
結城「ママだ、ママがいる！」
そりゃそうだよね。だって大事な子が人質に取られてるんだもん。それも担任に。誰だって血相変えて来るに決まってる。
そんなことを考えてると突然ドアが開いて先生が入ってきた。
柊「どう？考えまとまった？」
茅野「……もうちょっと、」
柊「間違えたら誰かが死ぬんだ答えたくない気持ちは分かる。でももう８時まで時間が無い。答えられなきゃこの教室ごと木っ端微塵だぞ。」
そう淡々と話す先生にやはり恐怖を感じた。
だけどさくらちゃんは答えようとしない
宇佐美「さっきの言えばいいんじゃない？」
諏訪「あれでいいと思うけど」
水越「私も」
甲斐「さっさと言えよ！！」
茅野「景山澪奈は 今年の全国大会でドーピングしたことがバレてじさつした」
『っ…、』
みんなに急かされて口を開いたさくらちゃんはまるで澪奈が悪かったみたいに、言い放った。
柊「それがお前の答えか？それでいいんだな？」
甲斐「しつけえな良いに決まって、」
柊「茅野に聞いてんだ！！」
隼人の声に被せるように、今までにないくらいの大声を出した先生に思わず肩が震えた。
柊「お前が景山の何を見て何を見てなかったのか、
よく考えるんだ」
茅野「今更何を言ったところで澪奈は帰ってきません」
柊「確かに景山を失った過去は変わらない。でもこれからのお前を帰ることは出来る。自分自身で考えて答えを出すんだ。」
これはさくらちゃんにだけに言われてるんじゃない。
きっと私たち全員に向けて言ってる言葉。
なんだか、涙が出そうになった。
宇佐美「あのさぁなんか二人の世界に入ってるみたいだけどもう答えは出てるから。澪奈は水泳会のプレッシャーに押されてドーピングに、」
茅野「違う！…澪奈がじさつしたのはそんな理由じゃない！」
さくらちゃんは
怯えながら、だけど力のある声で反論した。
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作者名：あゆり | 作成日時：2021年9月18日 8時
