193話(said：Ｅ) ページ43
「あ、公園だ！」
晩御飯の買い物を早めに済ませたついでに、少しAと散歩でもしようかと歩いてたら、少し小さな公演を見つけた。
地域の子か、数人の子供と、その保護者らしき人達が一緒に遊んでた。
遊びたいらしいAの背中を軽く押すと、元気よく駆けていく。
年の近そうな男の子に声をかけたら、すんなり一緒に遊び始める姿を見ると、案外Aって人見知りしないんだなぁって思った。
きゃっきゃ、と楽しそうに笑い声をあげながら、男の子も女の子も混ざりあっての鬼ごっこ。
この年頃特有の、男女の壁もなく仲良く遊ぶ姿は、見ていて微笑ましい。
あろまじゃないけど、俺も楽しそうに遊ぶAをレンズに捉えながら、シャッターを何枚か切っていく。
「あっ」
ズシャ、と音を立てて、Aが地面に倒れ込んだ。
人との接触じゃなく、足元の石に躓いての転倒だったけど、大丈夫だろうか。
「A、大丈夫か？」
小走りでAの傍に駆け寄り、起き上がりうとする身体を支えながら、怪我の有無を確かめる。
頬についた砂を払って、転けた時についた手のひらと、膝小僧の砂も払う。
「すりむいちゃった…」
「ん。水道の水でちょっと洗おうか」
転んだのに泣かなかったAを抱き上げて、近くの水道に向かう。
ハンカチに水を含ませて、優しく傷口を拭う。
ちょっと血は滲んでるけど、酷い怪我じゃなくて一安心だ。
「A、転んだのに泣かなかったの偉いな」
「ほんと？私えらい？」
「うん。えらい」
頑張ったな、と頭を撫でたら、さっきまで平気そうにしてた目に、みるみる涙が溜まってきた。
堪えられなくなった涙がボロボロ零れ落ちて、Aの頬を濡らす。
眉根をきゅっと寄せて、盛れる嗚咽をなんとか堪えながら、泣くのを必死に我慢しようとするAを抱き締めて、背中をあやすように、ぽんぽんと叩いた。
「痛かったな、A。頑張ったな」
「おにいちゃ……！」
ぎゅうっと首に抱きついてきたAの頭を優しく撫でながら、抱き抱えて家への道を辿る。
頑張ったAのために、今日は好物を作ってあげようと思う。
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ねい(プロフ) - 平部員さん» お返事遅くなってしまって大変申し訳ありません。書き終えた私も今後の展開を色々と想像するのが楽しいです。最後まで読んでくださってありがとうございます！ (2018年9月26日 23時) (
レス) id: 3cf28ea1ed (このIDを非表示/違反報告)
ねい(プロフ) - (*´ー｀*)さん» お返事遅くなってしまって大変申し訳ありません。無事完結することが出来ました。読んでくださってありがとうございます。 (2018年9月26日 23時) (レス) id: 3cf28ea1ed (このIDを非表示/違反報告)
平部員(プロフ) - かなり時間が経ってしまいましたが、完結おめでとうございます！！！！完結したいま、この先を想像するのが楽しいです(笑)ほっこりするお話をどうもありがとうございました！！！ (2018年7月22日 17時) (レス) id: 4be846ef1b (このIDを非表示/違反報告)
(*´ー｀*) - 完結おめでとうございます！ (2018年7月20日 19時) (レス) id: 4de10ffa38 (このIDを非表示/違反報告)
ねい(プロフ) - すうさん» ありがとうございます。少しでも彼らの幸せな1場面を書きたいという自己満の思いから書き続けてきましたが、少しでも彼らの幸せがすうさんにも届いていたのなら書き手として嬉しい限りです。彼らにはこれからも笑顔と幸せ溢れる日常を過ごしてほしいと願っております。 (2018年7月12日 20時) (レス) id: 3cf28ea1ed (このIDを非表示/違反報告)
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