174話(said：Ａ) ページ24
『この春、京都で食べたい絶品グルメ特集！』
テレビから聞こえてきたアナウンサーの声に、リビングにいた俺達は、揃って顔を上げた。
効果をがんがんに効かせた画面の中には美味そうな料理の数々。
今キッチンできっくんが夕飯作ってるけど、腹が減ってる俺達にとってはとんでもない飯テロだ。
画面を食い入るように見つめるFBが、腹減ったァ、なんてか細い声を出す。
『見てください！このトロットロのチーズ！』
「「チーズ...！」」
目をキラキラさせながら、FBとAの声がハモる。
2人揃って身体が前のめりで、どんな食いしん坊だよって思わず突っ込んだ。心の中で。
『では一口、頂いてみたいと思います...！』
そう言って、リポーターが大きな口を開けて頬張る前で、FBとAも釣られるように口を開けた。
咀嚼するリポーターと、同じように口をもごもご動かす2人。
たまにぼんやりテレビ見てて、食う人につられて口を開けてしまうこともあるっちゃあるが、こいつら...。
『美味しーい！すごい濃厚なチーズで───』
「「たべたぁい...」」
笑顔のリポーターに対して、眉を下げてしょんぼり顔のFBとA。
食い意地はりすぎだろデブ、と罵ってやりたいが、食べる真似するAが可愛過ぎて、動画撮るのに必死過ぎてそれどころじゃない。
隣で一部始終を見ていたえおえおも、真剣な顔で携帯を構えている。
口を覆った手の向こうから、可愛すぎかよ、という呟きが聞こえてきた。
えおえおよ、その気持ち、よくわかるぞ。
『見てください、この肉の断面図！』
場所が変わって、今度は鉄板焼きの店の特集になり、綺麗なレア肉の映像が流れている。
牛の肉を最近食えていない俺もえおえおも、その光景を食い入るように見る。
岩塩をつけて口に運ぶリポーター。
口を開ける動作につられて、俺も思わず口を開けてしまった。
見ればえおえおも同じように口を開けていて、思わず頭を抱えてしまった。
「おにくたべたい！」
「食べたいねぇ、Aちゃん！」
美味しそう、美味しそう、としきりに感想を漏らすFBとAは、リポーターが食べようとするたび、同じように口を開けている。
ふとキッチンの方が静かなことに気付いて視線を向けると、携帯をAに向けたきっくんがいた。
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ねい(プロフ) - 平部員さん» お返事遅くなってしまって大変申し訳ありません。書き終えた私も今後の展開を色々と想像するのが楽しいです。最後まで読んでくださってありがとうございます！ (2018年9月26日 23時) (
レス) id: 3cf28ea1ed (このIDを非表示/違反報告)
ねい(プロフ) - (*´ー｀*)さん» お返事遅くなってしまって大変申し訳ありません。無事完結することが出来ました。読んでくださってありがとうございます。 (2018年9月26日 23時) (レス) id: 3cf28ea1ed (このIDを非表示/違反報告)
平部員(プロフ) - かなり時間が経ってしまいましたが、完結おめでとうございます！！！！完結したいま、この先を想像するのが楽しいです(笑)ほっこりするお話をどうもありがとうございました！！！ (2018年7月22日 17時) (レス) id: 4be846ef1b (このIDを非表示/違反報告)
(*´ー｀*) - 完結おめでとうございます！ (2018年7月20日 19時) (レス) id: 4de10ffa38 (このIDを非表示/違反報告)
ねい(プロフ) - すうさん» ありがとうございます。少しでも彼らの幸せな1場面を書きたいという自己満の思いから書き続けてきましたが、少しでも彼らの幸せがすうさんにも届いていたのなら書き手として嬉しい限りです。彼らにはこれからも笑顔と幸せ溢れる日常を過ごしてほしいと願っております。 (2018年7月12日 20時) (レス) id: 3cf28ea1ed (このIDを非表示/違反報告)
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