165話(said：Ｋ) ページ15
「...A」
「やだぁ〜...」
リビングで、珍しく厳しい声を出しながらえおえおがAちゃんと対峙しているのを、俺は首を傾げながら眺めている。
普段はそれでいいのか保護者代理、って突っ込みたくなるくらいAちゃんに甘いえおえおなのに。
なお、俺らの方が甘やかしてるんじゃないかってツッコミは却下で頼む。
「Aちゃんどうしたの？」
「A風邪気味なのに、薬嫌がって飲んでくれないんだ」
溜息を吐くえおえおの眉間には深い皺。
言われてみれば、いつもぱっちり開いてるAちゃんの目はとろんとしてるし、頬もいつもより赤みが強い。
声も鼻声ってかこもってる感じがするし、何よりいつも元気なAちゃんの元気が全然ない。
「病院行ったの？」
「朝行ってきた。風邪の引き始めみたいだから、熱とかはそんなに無いんだけど」
咳と身体の怠さがあるらしい。
とりあえず、季節外れのインフルとかじゃなくて一安心。
時にえおえお。
ちゃんと薬飲まないと俺みたいになるってどういう意味だ？
どういう説得の仕方してんの？
「薬ってカプセル？」
えおえおが用意している処方箋は、赤と白のツートンカラーのカプセル。
よし、と立ち上がり、大きめのグラスに水を入れて、Aちゃんの前に差し出す。
「カプセルはね、下向いて飲むと飲みやすいよ」
不安そうに見上げてくるAちゃんに、優しく笑いかける。
えおえおも訝しげに見てくるけど、カプセルって水に浮くから、その状態で飲み込むと、喉に張り付く感じとかしないんだって。
騙されたと思ってやってみ？
「......のめた！」
「おぉ、きっくんやるー」
難なく飲み込めたAちゃんが、俺に笑いかけてくれる。
うんうん。やっぱりAちゃんは笑顔でいてくれるのが1番良いね。
因みに普通の錠剤の時は、上向いて飲む方が飲みやすいのは豆知識だぞ！
「早く風邪治して、いっぱい遊ぼうね」
「うん！」
「ちなみにきっくん、粉薬もあるんだけど」
ぴらぴらと振られる小さな袋と、2人から向けられる期待の眼差し。
「粉薬はな......」
そんな真っ直ぐ見られると居心地が悪いんだけど。
「気合い」
「気合い...？」
「そう。気合いで飲んで」
その瞬間、Aちゃんがバッと身を翻して2階へ続く階段の方に駆けて行った。
それを追いかけるえおえおを見送りながら、とりあえず頑張れ、とエールを送っとこう。
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ねい(プロフ) - 平部員さん» お返事遅くなってしまって大変申し訳ありません。書き終えた私も今後の展開を色々と想像するのが楽しいです。最後まで読んでくださってありがとうございます！ (2018年9月26日 23時) (
レス) id: 3cf28ea1ed (このIDを非表示/違反報告)
ねい(プロフ) - (*´ー｀*)さん» お返事遅くなってしまって大変申し訳ありません。無事完結することが出来ました。読んでくださってありがとうございます。 (2018年9月26日 23時) (レス) id: 3cf28ea1ed (このIDを非表示/違反報告)
平部員(プロフ) - かなり時間が経ってしまいましたが、完結おめでとうございます！！！！完結したいま、この先を想像するのが楽しいです(笑)ほっこりするお話をどうもありがとうございました！！！ (2018年7月22日 17時) (レス) id: 4be846ef1b (このIDを非表示/違反報告)
(*´ー｀*) - 完結おめでとうございます！ (2018年7月20日 19時) (レス) id: 4de10ffa38 (このIDを非表示/違反報告)
ねい(プロフ) - すうさん» ありがとうございます。少しでも彼らの幸せな1場面を書きたいという自己満の思いから書き続けてきましたが、少しでも彼らの幸せがすうさんにも届いていたのなら書き手として嬉しい限りです。彼らにはこれからも笑顔と幸せ溢れる日常を過ごしてほしいと願っております。 (2018年7月12日 20時) (レス) id: 3cf28ea1ed (このIDを非表示/違反報告)
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