163話(said：Ｅ) ページ13
「ふわぁ〜さむいね〜」
冷たい風が身体を包む。
遮るものの何も無いホームに、Aと一緒に並んで立つ。
場所は仙台。今日はちょっと遠くに遊びに来ている。
「お兄ちゃん、電車来たよ！」
「おお、めっちゃお洒落だな」
アナウンスと共に入線したのは、「フルーティア」と呼ばれる観光列車。
「走るカフェ」をコンセプトに、福島でとれた美味しい果物をたっぷり使ったオリジナルスイーツと飲み物を提供してくれる。
愛称である「フルーティア」は、「フルーツ(fruit)」と基本コンセプトである「お茶(Tea)」を組み合わせて付けられたものらしい。
赤と黒を基調とした、モダンなデザインの外装には、シンボルであるティーポットと果物を描いたロゴが装飾されていて、結構可愛い。
折角なのでAと一緒に記念撮影して、電車の中に乗り込んだ。
「かわいい！」
車内は白とダークブラウンが基調で、所々木があしらわれていて、結構モダンな雰囲気だ。
1人がけ用の席から、4人がけ用のボックス席まで用意されている。
現行の列車を改造してるからあんまり席数はないけど、ゆったりしていて落ち着ける感じだ。
指定の席にAと向かい合うように座って暫くすると、電車がゆっくりと走り出す。
閑静な街並みや、雄大な自然の中をゆったり走りながら、美味しいケーキとお茶が楽しめるなんて、めちゃめちゃ贅沢なんじゃないだろうか。
「こちらが限定のスイーツになります」
「わぁ、おいしそう！」
「すげぇ」
小さな箱の中には、味の違うケーキが２種類入っていた。
今の時期はいちごが旬らしく、ケーキの上にはたっぷりのいちごが乗っている。
「いちご、キラキラしてて綺麗だね！」
「A大好きだから良かったな」
嬉しそうに表情を綻ばせながら、ケーキを頬張るAが可愛い。
マスカルポーネムースを使ったケーキと、チョコのケーキはどっちも美味しくて、ムースの甘さやコクと、いちごの甘酸っぱさと良く合っている。
甘いものが好きな俺としても、大満足な味だ。
「A、俺のいちごも食べていいよ」
「ありがとう！」
フォークに突き刺したいちごを差し出すと、嬉しそうに頬張るA。
こういう、普段と違う空間の中で過ごすのも、なかなか良いもんだな。
季節によって使われる果物が違うらしいから、また機会を見つけて、Aを連れてこようかな。
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ねい(プロフ) - 平部員さん» お返事遅くなってしまって大変申し訳ありません。書き終えた私も今後の展開を色々と想像するのが楽しいです。最後まで読んでくださってありがとうございます！ (2018年9月26日 23時) (
レス) id: 3cf28ea1ed (このIDを非表示/違反報告)
ねい(プロフ) - (*´ー｀*)さん» お返事遅くなってしまって大変申し訳ありません。無事完結することが出来ました。読んでくださってありがとうございます。 (2018年9月26日 23時) (レス) id: 3cf28ea1ed (このIDを非表示/違反報告)
平部員(プロフ) - かなり時間が経ってしまいましたが、完結おめでとうございます！！！！完結したいま、この先を想像するのが楽しいです(笑)ほっこりするお話をどうもありがとうございました！！！ (2018年7月22日 17時) (レス) id: 4be846ef1b (このIDを非表示/違反報告)
(*´ー｀*) - 完結おめでとうございます！ (2018年7月20日 19時) (レス) id: 4de10ffa38 (このIDを非表示/違反報告)
ねい(プロフ) - すうさん» ありがとうございます。少しでも彼らの幸せな1場面を書きたいという自己満の思いから書き続けてきましたが、少しでも彼らの幸せがすうさんにも届いていたのなら書き手として嬉しい限りです。彼らにはこれからも笑顔と幸せ溢れる日常を過ごしてほしいと願っております。 (2018年7月12日 20時) (レス) id: 3cf28ea1ed (このIDを非表示/違反報告)
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