王族の皆様に取り合いされてます。 (ページ14)

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サンジ「イチジてめェ！！抜け駆けは許さねェぞ！！」

その時、誰かに抱き上げられる感覚がした。

ヨンジ「お前らこそ2人して何をやっている？悪いがAは私のものだ。残念だったな。」

さっきの緑の髪の人だ。
というかこの体勢、かなり恥ずかしい。
俗に言うお姫様抱っこというやつだろう。

離してくださいと言う前に、また誰かに抱き上げられる感覚。
私はおもちゃではないのだが…。

ニジ「ハハッ、残念だったな。この女は俺の嫁になるんだ。お前らなんかに渡さねェよ。」

今度はさっきの青い髪の人…。

サンジ「お前らが気安くAちゃんに触ってんじゃねェよ！！」

…なんだか疲れてきたな。
ニジさんから降り、ギャイギャイと言い合いをするヴィンスモークの4人に告げる。

『失礼。私は先程言った通り、貴方方と婚約するつもりは無いのです。…どうかお引取りを。』

サンジ「…確かに、親に無理やりさせられる結婚なんて嫌だよな。悪ィAちゃん、少しはしゃいじまった。」

どこか悲しそうに笑うサンジさん。
胸が少しだけ締め付けられる。

『いえ、良いのです。私こそ、貴方方のご希望に添えず…』

ニジ「なら、俺がその気にさせてやるよ。」

『…はい？』

ニジさんにまた顎を掴まれ、ニジさんと強制的に目を合わせる事になる。

『い、今…なんと…？私の話、聞いていましたか？』

ニジ「お前の言い分なんざ興味ねェ。お前は俺の嫁になる。それだけだ。」

『なっ、なんて強引な…！』

ヨンジ「それを言うなら私もだ。美しきAさんは私が貰う。」

サンジ「お前らなんかにAちゃんを渡せるか！！Aちゃんは俺と一緒に来るんだよ！！俺がAちゃんを笑顔にするんだ！！お前ら邪魔だ！！！」

イチジ「お前のような出来損ないの海賊風情が何を言っている。Aは俺が貰う。異論は認めない。」

再びギャイギャイと言い争うヴィンスモークの4人。
何だかその光景が微笑ましく思えてきた。
私には無かったもの。
私が経験してこなかったもの。
とっても強引ではあるが、今私は…必要とされているんだ。
何故そこまで私を必要としてくれるのか分からないが、私の心に薄らと光が差し始めた気がした。

ずっと暗く、閉じ込めていた心。
誰にも明かさず、開かなかった心。
───でも、この人達なら…もしかして──

『…ふふっ』