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「え、ひ、広斗！？！？？ちょ、ちょっと待っ…」
殴りかかってる。え、何。え、どうしたの。
「ちょ、広斗！！ギブギブギブ！お兄ちゃん死んじゃぅぅぅううう！！」
「オマエ何もされてねぇか！？」
「…………ん？広斗くんなんかそれってお兄ちゃんのことさ…」
「オイ、聞いてんのか！！」
「だだだいじょぶです。だから手離し…」
「ホントに何もされてねぇんだな？」
｢だから！お兄ちゃんは野蛮人じゃないってば！！広斗くんのバカ！！！｣
首を縦に何度もふると肩を掴んでいた大きな手はゆっくりと降りていった。え、わたしが何かされたって…心配、したの？
「あ、そういえば！自己紹介、してなかったよね？！広斗くんのお兄ちゃんの雅貴です！」
「…………A、です。」
「ふふ、良い名前！ん。で、こっちは広斗。ほら広斗くんちゃんとあいさつして。」
｢｣
「…あの……昨日はすみませんでした。」
「…別に。」
「………えっーと！あ、男臭いとこでゴメンね？笑 いやー女のコが来てくれてお兄ちゃんすっごく嬉しい！元気になったらお買い物行こうね。お兄ちゃん何でも買ってあげるから！あ、俺のことはお兄ちゃんって呼んでくれて全然いいよ！いやむしろお兄ちゃんて呼んで！あ、そうそう！お兄ちゃん料理は得意だから毎日楽しみにしててね！あと…」
「？」
………は？毎日？？え、どうゆうこと。何。意味わかんない。何コレ。
「帰るとこねぇならココいれば。｣
「………………立ち聞き、ですか。｣
「聞こえてきただけ。｣
あれ。それを立ち聞きって言うんじゃない？ねぇ、と言おうとしてやめた。
脳内お花畑みたいなハイテンション男ならいいけど全身黒ずくめ男は何考えてるかわかんないし怖そうだしやめとこ。うん、長い物には巻かれておこう(？)とりあえず、今のところは。
「えっとそれで…何だったっけ？笑 あ！Aちゃん、お粥、食べれそう？」
「…い、いです。」
「えー！そんな遠慮しなくていいよ？だってこれから毎日…」
「っ、……ごめ、んな…さい。」
「ん、気にしないで？大丈夫大丈夫。無理しなくていいから、ね？」
そう言いながらハイテンション男は落ち着くまで背中をトントンしてくれた。見ず知らずの人なのに久しぶりに触れた優しさのせいか涙が次から次へと溢れてくる。いつからこんな…弱くなったのかな。
「オイ、こっち来い。」
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作者名：ふるーつたると。 | 作成日時：2017年12月9日 17時
