危ないお隣さん(2)

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あの日から1週間。







仕事の事も引越しの事もバタバタしていて、悲しんでいる時間なんてなかった。








これで良かったんだ。









ただそう自分に言い聞かせるだけ。









安田さんとも大倉さんとも、もう会わない。









連絡先も変えた。









新しい家も見つけて1ヶ月後には引越しだ。











１つだけ心残りがある。









最後に、最後に大倉さんにお礼が言いたかった。









このつまらない毎日を楽しく過ごせたのは大倉さんのおかげ。









私の料理をお世辞でも美味しい美味しいって食べてくれた。









あの笑顔がもう一度見たい。








叶わないけど。







携帯のアルバムを開けるとそこには大倉さんのスーパーで撮ったオクラとのツーショット。









あの時待ち受けにしてもいいで。って言ってたよね。









もう今更待ち受けにしたところでもう会わないしバレないよね。









そう思い待ち受けに設定する。









後少しだけ。









この家を出て行くまで、貴方のこと好きでいさせてください。









大倉さんが好きだったカレーを作る。









キッチンに立つだけであの時の光景が思い浮かぶ。








初めてキスされた時や後ろから抱きしめられた時。









私はカレーを作りながら声を上げて泣いた。









ドラマ撮影で大倉さんが帰ってきてなくて良かった。

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