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甘露寺「冨岡さんっ!その子は彼女かしら?!きゃ〜!」
『……っ』
冨岡「…ああ」
伊黒「なん…」
甘露寺「まぁ、!邪魔してごめんなさい…!」
冨岡「…(そろそろ出ようとしていたから)問題ない」
そう言うと、お勘定を手早く済ませ、私の手を引いてお食事処を出た。
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お店を出てから何も喋らず、ただただ歩幅に合わせて歩いてくれている冨岡さん。
普段通りなのか、私の気持ちを察しているのか。
真意は分からないけど、今の私にとっては有難かった。
気づけば街を出ていて、見えてきたのは冨岡さんのお屋敷。
此処から街までは、歩いて三十分くらいはかかる。
『え…そんなに歩きましたか?』
冨岡「ああ」
『そうですか…』
冨岡「今日はここで休むといい」
『えっ!それは申し訳ない…』
冨岡「構わない」
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冨岡さんは、察することができる人なのか。
曇りのない笑顔で「あの人は天然なので、人の心情を察するのは無理だと思いますよ?」と言ってたしのぶさんの言葉は嘘なのか?
…今日、素敵だったなぁ。
あの女性に向けてた目、めちゃくちゃ優しかった。
というか、あの人も隊服着てたよね。鬼殺隊の人か。
それに「助けてなどいない」「今の隊士は使えない」とか言うけど、助けるし。あ、そこは人としての心情に傷がつくな。
それに………、ああああ駄目だ、蛇柱様のことばっか考えてしまう。寝よ!
ふぅ…と深呼吸をして寝ようとすると冨岡さんが静かに戸を開けて入ってきた。
「もう寝たのか…」と呟きながら入ってきたから、反射的に目をつぶって寝たふりをした。
冨岡「…伊黒と、知り合いなのか…?」
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作者名:gera | 作成日時:2021年3月1日 12時