【Dr.STONE】科学少年の隣で

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　「おぅ、今すぐ作ろうぜ」
　「何が要る!?」

　クロムとコハクは今にも駆け出しそうな勢い。

　「あらゆるブツが足んねえっつったろが。テメーらのその"まず行動"っぷり、どっかの雑頭思い出すぜ…」
　「ああ、大樹ね…」
　「万能薬作るルートはざっくり２つ─生き物から作るペニシリンと石から作るサルファ剤だ」
　「ペニシリンは聞いたことあるわね」
　「生き物？石？それがどう薬になるんだ??」
　「有名なのは青カビで作るペニシリンだな。ペニシリンが便利すぎて歴史の影に消えたのがサルファ剤だ。ただペニシリンのバイオルートは、このストーンワールドじゃ"なぜか偶然！100億倍パワーのスーパー青カビ見つけたぜウェーイ！"、そういう超ラッキーに期待する運ゲーだ。逆にサルファ剤のストーンルートはこのストーンワールドじゃ死ぬほど根気と人手が要るが─100億％必ず万能薬に辿り着ける」
　「だったら答えはもう決まってるぜ」
　「分かってんじゃねぇか、クロム。俺らは神様でも天才でもねえ。一歩ずつ一歩ずつ地べた這いずり回って作ってくんだよ」

　千空は木の枝で地面に図を書く。

　「進むのはストーンルート!!これは万能薬へ向かう科学のロードマップだ…!!」

　完成したロードマップは複雑だった。

　「おぉおぉおぉお…???」
　「マジかヤベー」
　「…これは大変ね」
　「科学史200万年ワープすんだぞ。地道にゲットしてくっきゃねえ」
　「おう、ならまずはこの鉄って奴からだ！てか何だ鉄って。もろもろ教えてくれ」
　「そこもそうそう楽じゃねえぞ」
　「千空先生の妖術…科学教室か。聞いても私には分からなそうだな」




　クロムの質問攻めに疲れて、ぐったりと地面に横たわる千空。
　いつの間にか日が暮れて、辺りはもう夜。

　「地球の方が回ってんのかよヤベー！」
　「あ〜、そ〜だよ〜〜」
　「それはおかしいぞ。ならば何故私は今枝から放り出されないのだ」
　「重力が〜あるからだよ〜〜」
　「妙だと思ってたぜ。全然動かねー星もあるからよ」
　「北極星な。100億％真北にあるっつうクッソ便利な星だ、覚えやがれ」
　「方角分かるから迷った時便利よ」
　「そうなのか？」
　「若干真北とはズレてるようにも見えるが…」
　「んなわきゃねえだろ」

　"誤差の範囲"と言いかけて、千空がハッとした表情を浮かべる。

　「地軸のズレか!!3700年かけて少しづつ地球全体が傾いた。現在西暦5739年。北極星が！変わってやがる…!!」

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