六話 黒い影 ページ7
宇髄side
「この刺身…派手にうめぇな……」
「こっちの焼いたヤツもうめぇ…おいA、お前霊媒師なんて胡散臭いことやめて料理人に転職しろ。もしくはかけ持ちしろ。」
「ただでさえ鬼殺隊とかけ持ちしてんのにこれ以上職が増えたら俺死ぬ。」
見るからに嫌そうな顔をする太刀川は根っからのダメ人間なのだろうと宇髄と不死川はつくづく思う。
ただ、このダメ人間の側は些か居心地が良すぎるためなんだかんだ言って離れることは出来なかった。
「なぁー俺に取り憑いてた幽霊ってどんな奴?」
「……あれか。少し厄介だから追い出した。今から祓ってやるよ。」
そう言ってスっ立ち上がった太刀川に着いて行けば縁側に出た。
「ほらあそこの木の影だ。」
「なんだありゃあ?」
「地味に見にくいな……黒い…影か?」
手入れが行き届いた裏庭にたっている大きな木の影に黒い影が見える。
ゆらゆらと揺れて少し不気味である。
「行ってくる。」
「待てぇえ!!太刀川!俺らを置いてくな!」
「屋敷にいた方が安全だろ?」
「お前といるのが1番安全だ!」
両脇を宇髄と不死川にしがみつかれて嫌そうな顔をする太刀川。
だがあんな不気味な影が俺に取り憑いてたというのだろうか?
「止まれ」
太刀川に言われて俺も不死川も歩みを止める。黒い影まであと5m程ある。
「なんで宇髄に取り憑いてた?」
「…………………」
そして三人でもう一歩近ずけば黒い影が手らしきものをゆらゆらと揺らし始める。
「……こっちに来いってことか?」
「行くなよ宇髄。取り込まれるぞ。」
その言葉に冷や汗が流れた。立ち止まり影を見つめれば今度は両手を揺らし始める。
「相当宇髄が欲しいようだな……これ見ろ。」
「あ?……なんだこれ?」
「これ……何かを引き摺った跡か?」
不死川の言葉通り地面には何かを引き摺った跡がある。
すると太刀川は何か呪文?のようなものを口にしてバッと影の足元に手を向ける。
すると黒い影を紫色の何かが縛る。
「よし、これでもう逃げらんねぇぞ。」
「あ…ァァァあ…ァァァァァあああ”あ”!!!」
すると途端に唸り声のような悲鳴をあげ始める黒い影。怖くなりさっきよりも強めに太刀川の腕に縋り付く。
「安心しろ。ちゃんと祓ってやるよ。」
いつもは胡散臭いと思うヘラヘラした笑みがなぜだか心強く感じた。
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病葉 - ……………ってか五条悟ぅぅぅぅ (2020年12月26日 9時) (レス) id: 5950959ea4 (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 最高に面白かったです!!! (2020年12月6日 19時) (レス) id: 739f2b6295 (このIDを非表示/違反報告)
味噌汁 - cvを中村悠一さんイメージにしてくださってありがとうございますm(_ _)m (2020年9月5日 21時) (レス) id: 66cf0f24ad (このIDを非表示/違反報告)
RE:0096 - ↓空気読まないコメント (2020年8月4日 15時) (レス) id: 6a54b9078c (このIDを非表示/違反報告)
RE:0096 - 弁護士と書いて実.弥と読むw (2020年8月4日 15時) (レス) id: 6a54b9078c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:AOI 3 | 作成日時:2020年3月15日 19時