十九話 帰りの道中 ページ20
「おいっ…いい加減離れろ!」
「あんなもの見せといてよくそんなことほざけるな。貴様には人の心がないのか太刀川。」
「A!てめぇふざけんなァ!今日寝れねぇわあんなもん見せられて!」
二人が抱きついてくるせいで歩きすづらい。冬なのに暑苦しいし本気で離れて欲しい。
先程の子供達の大量の幽霊を見たせいか現在、森を移動中。二人はガチで怯えて俺にピッタリとひっついて離れない。
「結局村にまた戻ったけどすぐに出ていったからな。まだ外暗いな……」
「朝になるまで泊めてもらえばよかっただろぉが。」
「じゃぁ二人は泊まっていけば良かったじゃん。」
「お前なしで先程の光景を見た俺達が森を気楽に歩けるわけないだろうが!馬鹿か貴様は!」
「またバカって言われた」
まじでなんなんだこいつら。俺の事好きすぎかよ。キモ
「結局弟見つかんなかったな。」
「申し訳なかったがおそらくあの鬼に食われたんだろうな。」
「つぅかよぉ……あの女の餓鬼はどこ行ったんだ?」
宿泊先に来てまで弟の救いを懇願した少女。実弥と伊黒は彼女のことが気になっていたらしい。
「救えなかったとはいえ一言伝えなければならないだろうな。」
「あぁ、それなら問題ねぇよ。」
「あ?」
そう言えば二人は顔を顰める。
「言ったのか?いつの間にあの餓鬼に会ったんだよ?」
「あってねぇよ。でも今どこで何してっかは分かる。」
「「?」」
「今頃弟と仲良くあの鬼を他の子供と一緒に呪ってボコボコにしてんだろ。」
「……おい…」
「それってまさか……」
「気づいてなかったのか?
.
あいつもとっくに死んだ幽霊だよ。」
結局その日一日、実弥と伊黒は俺にしがみついて離れなかった。
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病葉 - ……………ってか五条悟ぅぅぅぅ (2020年12月26日 9時) (レス) id: 5950959ea4 (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 最高に面白かったです!!! (2020年12月6日 19時) (レス) id: 739f2b6295 (このIDを非表示/違反報告)
味噌汁 - cvを中村悠一さんイメージにしてくださってありがとうございますm(_ _)m (2020年9月5日 21時) (レス) id: 66cf0f24ad (このIDを非表示/違反報告)
RE:0096 - ↓空気読まないコメント (2020年8月4日 15時) (レス) id: 6a54b9078c (このIDを非表示/違反報告)
RE:0096 - 弁護士と書いて実.弥と読むw (2020年8月4日 15時) (レス) id: 6a54b9078c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:AOI 3 | 作成日時:2020年3月15日 19時