霊柱は胡散臭い【鬼滅の刃】

十八話 子供の叫び ページ19

「まぁ、楽に死ねると思うなよ？子供が主食のお前にゃちと同情の余地がねぇからな。」

「何が悪い！お前ら人間だって生きるために豚でも魚でも殺して食うだろうが！それと何が違う！」

「うるせぇ！俺は小魚は海に返すし子豚は食わねぇ！」

「太刀川、お前は黙っていろ。」



頭を叩かれ黙らされる。なんでそんなに怒んだよ。



「ふん、誰が反省などするものか。斬りたきゃ首など斬ってしまえ。」

「んだとゴラァ」

「不死川、落ち着け。」

「あの鬼なかなか煽ってくんなぁ……」


そろそろ手足も生えてくるかもしれないしとっとと終わらせよう。





「お前は子供しか食ったことないんだよなぁ？」

「もちろんだ。子供の血肉は柔らかくて上手いからなぁ」

「知ってるか？子供ってのは成仏せずに記憶をそのままで地縛霊になることが多いんだ」

「あ"？」









.







「"周りを見てみろ"」






「こっれは…………」




――――痛い

――――苦しい

―――――死にたくない

―――――お母さん……

―――死にたくない

――――行きたい









.









“許さない”





木々の隙間から見える血走った眼がギョロリと鬼を捉える。

奥の暗闇から子供の青白い血で汚れた手は鬼を求めるかのように伸ばされる。そしてその本数が今まで食われた子供の数を物語っている。

掠れた苦しむような声が森の中で木霊する。




「ほらお呼びだぜ鬼さん。」

「まっ、待て！これは何かの幻だろ！何をしたお前！」

「別に。強いて言うならお前に霊力をちょっと分けてやった。よく見えるだろ？ぜんぶ現実だぜ。」



そう言って青ざめた鬼を森の奥に蹴飛ばした。
そして今度は鬼の悲鳴…いや、断末魔の叫びが森中に響いた。





「ご愁傷さま」




せいぜい子供達が満足して成仏出来るようしぶとく鬼らしく死なねぇ事だな。

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