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十話 生霊の行く末 ページ11

不死川side



「そんなクソ男だったなんて……」

「あぁ、こいつはとんだくそゴリラなんだ。分かったら次の恋を探すんだな。」

「えぇ、私…頑張って次の恋見つける!」

「その意気だ。」



発破をかけるAにげっそりしている宇髄。まぁ、友達だと思っていたやつにこっぴどく酷い印象を言われ続けたんだ。
初めは怒った表情をしていた宇髄の顔がどんどん死んでいく経過を見ていた俺は少し同情した。




「じゃあそろそろ戻るぞ。」

「えっ、こいつ祓わねぇの?」

「生霊はいわば幽体離脱…こいつの本体の魂だ。祓ったら死んじまう。」



そうなったらお前が嫌だろ?と、宇髄に言いそれを聞いた宇髄はAに抱きついている。

やめろやぁあ!と喚き散らすAを無視して俺は立ち上がり宇髄を叩く。




「ほら、とっとと出るぞお前ら。」

「へいへい」

「痛てぇ…不死川こそゴリラだろ」




そして目を閉じて意識を飛ばす。
目を開ければ見慣れた光景……Aの屋敷の裏庭である。


手を握り感覚を取り戻せば後ろからドサッと物音がした。

振り返れば仁王立ちしたAが倒れた宇髄を見つめていた。




「眠らせたのか?」

「あぁ、こんなもん見せらんねぇからな。」



Aの視線の先に目を向ける。
黒い影がいたその場所には見るに堪えないものがあった。




「今まであの生霊が取り込んだ人間だ」

「ざっと見て三、四人ぐらいか?」



木の根元にはグチャッとした赤黒い塊がありそこから血走った目がこちらを覗いている。


「お前の任務の村での件もこれが原因だ。」

「なんでこんなもん取り込んで……」

「一種の呪術みてぇなもんだ。愛する者の傍に行きたい。その願いを叶えるための代償ってやつだ。」



知っててやったんだろうなと、Aは呟きグチャグチャになって腐りかけの死体に手を合わせる。



「あの女はどうなってんだ。」

「さぁな。呑気に次の恋でも探してんじゃねぇのか?」


その言葉に虫唾が走った。こんなに罪のない人を己の欲のために殺した女がのうのうと生きることが許せなかった。


「…そういや木に貼ってたあの札なんなんだ?」

「あれ?あれは俺の手作りの超強力な御札ー」


死体の処理のため隠に知らせに行った鴉を見届けながらAは言った。


「あれは自責の念を日に日に増大させるやつ。」

「それって……」


「実弥…本当に怖ぇのは鬼でも幽霊でもねぇ…」




·


“人間だよ”

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病葉 - ……………ってか五条悟ぅぅぅぅ (2020年12月26日 9時) (レス) id: 5950959ea4 (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 最高に面白かったです!!! (2020年12月6日 19時) (レス) id: 739f2b6295 (このIDを非表示/違反報告)
味噌汁 - cvを中村悠一さんイメージにしてくださってありがとうございますm(_ _)m (2020年9月5日 21時) (レス) id: 66cf0f24ad (このIDを非表示/違反報告)
RE:0096 - ↓空気読まないコメント (2020年8月4日 15時) (レス) id: 6a54b9078c (このIDを非表示/違反報告)
RE:0096 - 弁護士と書いて実.弥と読むw (2020年8月4日 15時) (レス) id: 6a54b9078c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:AOI 3 | 作成日時:2020年3月15日 19時

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