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「Aちゃん、おっは」
「…おはよう。岩本君」
朝、下駄箱で会った岩本君がニヤニヤしている理由は、紛れもなく昨日の事なんだろうけど。
思い返してみれば、うん、結構恥ずかしい事してるな…って、岩本君の顔さえもまともに見れない。
「昨日のAちゃん、カッコよかったね」
「そ、そうかな…」
「ふっかより男気あるんじゃない？」なんて冗談めいて言う岩本君に、苦笑しながらもそうかも、なんて思う。
「俺、ちょっと惚れそーだったもん」
益々ニヤついた顔で言うから、あ、これイジってんな、ってわざとらしくムスッとすれば、後ろから肩に腕が回ってビクッと背筋が伸びる。
「だーめ。俺の彼女だから」
顔が熱くなる感覚が自分でも嫌というほど分かって、それを深澤に見られるのがなんだか癪だけど。
“彼女”というワードに口角が上がってしまうのも、自分では抗えそうにない。
「あっつー、夏終わってんのに」
呆れたように笑って先に行く岩本君は、きっと気を使ってくれたんだろうな。
「…重い、」
「へいへい」
腕を離して靴をしまう深澤が、二割(うぉい！少ねぇな！By深澤)増くらいにはカッコよく見えてしまうんだから、なんか困る。
「……深澤、」
「ん？」
「……おはよ」
こんなテンションで言うものではないけれど、なんだか少し緊張してしまって。
「ふはっ。おはよ」
だけど、目を見て笑ってくれる事が嬉しくて、もう隠さなくていーやって少し素直になって。
口元緩々のまま深澤に腕を回せば「なに、ご機嫌じゃん」なんてこちらもご機嫌そうにそう言うから幸せだなって思った。
「じゃあ今日は俺ん家ね」
「行きません」
「えぇ、今のは良い流れだったじゃん！」
「変態」
「家に行くイコールそれだと思ってるAのがえっちじゃん」
「っ、うるさい！」
「かーわい、顔真っ赤ー」
「あ、やば！チャイム！」
「え、マジか、照いるから余裕だと思った、騙された」
「走るよ！」
この後、二人して怒られたのは言うまでもない。
Fin.
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バンビ(プロフ) - 葉月さん» 葉月様、コメントありがとうございます。これからも楽しんで頂けるように頑張ります。これからもよろしくお願いします。 (2022年4月22日 16時) (
レス) id: 0059ecb2b1 (このIDを非表示/違反報告)
葉月(プロフ) - 本当に話一つ一つ大好きです。これからも応援しています！無理になさらないように自分のペースで頑張ってください♡ (2022年4月22日 15時) (レス) @page49 id: e15b346611 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：バンビ
| 作成日時：2021年12月4日 22時
