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溶かしてくれたのは…(更新遅くてすみません!!) ページ11

長谷部はずっと私に話しかける

でも、私の心の中は穴が空いて空洞化したような心地がしている

長谷部の言葉も全て通り抜けている

もう何も考えられない

思考は停止している

視界も自分がどこを見ているのか分からない

"無"という言葉が今の私には相応しいだろう

それでも長谷部は語り続ける

長「今日から2人だけの本丸生活ですね。祝の席を設けましょう。すぐ準備してきますのでここでまっていてください。」

気がついたら長谷部は部屋からいなくなっていた

しかし、頭から司令が送られてこない限り体は動かない

今の私は司令を送ることさえもしない

これじゃ傍から見れば人形のようだろう

……どうでもいい









ガタッ









静かな時を切り裂くような音が部屋の外から聞こえた






聞こえたからって何をする訳でもない

私はそこに座り続ける









ガタッ




はぁ…はぁ…ある………じ……









物音と荒い息遣いと主と呼ぶ声




主?誰が?









ガタッ……ガタン!!!

ある……主!!









部屋は月明かりに照らされて一気に明るくなる

背後から伸びる大きな人影

その影は徐々に大きくなり、そしてその影の持ち主が目の前に現れた





紫色の癖のある髪

胸を彩る薄紅色の花

美しい顔と装束には無数の傷と、赤が散りばめられていた








停止した頭の中で1つ引き出しが開いた

中から出てきたのは一振の刀

その刀を桜吹雪が囲むように舞う

現れたのは今目の前にいる者と同一人物


"僕は歌仙兼定。風流を愛する文系名刀さ。どうぞよろしく。"









歌「……るじ………主!無事かい?!怪我は無いかい?!」

「か………………せん…………?」

歌「……………そうだよ。僕は君の初期刀である歌仙兼定。」







凍りついた歯車が1つ動き始めた


そこから連動するように噛み合う歯車もまた動き出す


その動きは次へと次へと徐々に広がっていく



凍りついたものが溶けていって動き始める






「ほんとに…………歌仙…なの?」

歌「……ああ。間違いなく、君の歌仙兼定だよ」



ふわっと温かみのある笑み

その瞬間何かが溢れだしてきた

せりあがってきて外に溢れ出す




「っ……かせ……ん………歌仙!!!」




体は動いて、無意識に歌仙へと抱きつく

温もりが心地よくてまた溢れた

ぽんぽんと背中をさする手

大事そうに私の背中に回される手

全てが温かくて



愛おしかった

転移装置→←彼らは最後に何を思ったのだろう…



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*ゆず* - す、すごく良いです(;ー;) (2018年12月8日 23時) (レス) id: 54dcbc5513 (このIDを非表示/違反報告)
鶴華月(プロフ) - 緑さん» 泣いていただけるとは!!光栄です!!読んでいただきありがとうございます!!!! (2018年6月8日 10時) (レス) id: 2acc915b67 (このIDを非表示/違反報告)
- めっちゃ泣きました…。 (2018年6月8日 0時) (レス) id: 655aa0a522 (このIDを非表示/違反報告)
あずき - 涙がでてきました。現世に行ったとき、 (2018年4月6日 0時) (レス) id: c88c4d3afb (このIDを非表示/違反報告)
鶴華月(プロフ) - かきさん» ありがとうございます!個人的にヤンデレっていうシチュエーション結構好きなんですよ笑 (2018年3月1日 15時) (レス) id: 2acc915b67 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鶴華月 | 作成日時:2018年2月27日 23時

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