現代のシンデレラストーリー3

バージンロード ページ10

結弦が先にチャペルに入る。

「じゃあ、先に行ってるからね」

彼が可愛く小さく手を振るので、私も同じように小さく手を振った。


私の隣に黒いタキシードを着たお父さんが並ぶ。

チャペルの両扉が開かれた。

大勢の招待客の方々がこちらを向く。

とっても優しい音色のオルガンと聖歌に合わせ、一歩、また一歩と歩みを進める。

入る前に一礼。
そして、入ってすぐ隣に用意していたお母さんにベールを下ろしてもらう。

「こんなに大きくなったのね…綺麗よ。幸せにね。」

なんてお母さんが言うから涙がこみ上げそうになる。
本当、ここで泣かそうとしないでよ。
メイク落ちちゃうよ。

私の方を優しい笑みで見つめる愛しい旦那さんの方へと一歩一歩進む。

走馬灯のように小さい頃や昔の家族の思い出が蘇る。

「…お父さん、ありがとう。」

お父さんは黙ってた。

結弦の前に着く。
お父さんと結弦が一礼し、私の腕がお父さんから結弦へと移る。

「娘をよろしくお願いします。」

お父さんがそう言う。
涙をためていた。

「はい。絶対に守ります。」



式は順調に進んでいく。

誓いの言葉、指輪の交換。
そして、誓いのキス。

ベールを上げてもらうのに少しかがむ。
結弦の方が余裕で身長が高いから本当はかがまなくても大丈夫なんだけど…

大勢の前でのキス。
恥ずかしい…
だってみんな見てる。
でも、こうなれば覚悟を決めなければ。

目を瞑る。
唇に柔らかい感覚。

でもやっぱり恥ずかしくて、顔が赤くなって、

「A顔赤いよ。」

なんて旦那さんに笑われてしまった。

終わり ログインすれば
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