よんじゅうきゅう ページ49
「A」
「ん？」
「おれは本気だよ」
「同じ苗字になりたいし、ご飯も毎日Aが作ってくれたのが食べたい」
急になに？とでも言いたそうに大きな目をパチパチと瞬きするAに追い討ちをかけるように「毎日Aが作ってくれたぎょーざが食べたい」というと困ったような顔になってしまう。
「毎日餃子は身体壊しちゃうからだめ」
「じゃあ毎日ご飯作って」
「たまにはたかくんも作ってよ」
「餃子焼くね」
「最初の頃はオムライス作ってくれたのに」
「それはAが今よりもっと危なっかしかったから」
ガーベラを花瓶に挿したAの左手を優しく握る。
薬指を撫でながら、今指輪があったら格好ついたのになぁって計画性の無さにため息が出た。
ガーベラはほぼプロポーズみたいなつもりで渡したんだよ。『究極愛』なんてプロポーズみたいじゃん？ちょっとかっこつけすぎて恥ずかしいから、自分からは絶対言わないし気付かれたとしても絶対認めないけど。
「増田Aになってくれませんか」
「今すぐにじゃなくてさ、おれら仕事が仕事だし近い将来今だって時が来たらその時に」
どうかな？とAの顔を覗きこめば茶色っぽい目と視線が絡む。
「わたしでよければたかくんの隣にずっといさせてください」
「フフ、うん、しぬまでよろしくね」
「しんでも隣がいい」
「ワー！なにそれ！かわいい！」
Aの身体を思いっきり引き寄せて力いっぱい抱き締めると力強い！なんて文句が聞こえる。
「たかくん」
「んー？」
キスしたいんだなって少し顔を下に向けると唇に柔らかい感触。
「まちがえた」
「なにを？！」
「、たかひさ」
耳まで赤くして、いつもの大きなっていうか大きすぎる声からは想像できないくらい小さな声でおれの名前を呼んでくれて。
喜ばせようとしてくれてるんだって嬉しくなる。Aの作戦は成功だよ。だっておれいま超うれしいもん。
「なーに」
自分で思っていたよりもずっとずっとあまーい声が出て驚く。おれって本当にAがすきですきでどうしようもないみたい
「今日お月様綺麗なんだよ」
「そうなの？」
「うん」
「そっか、おれも愛してるよ」
すごい勢いで顔を上げたA。
先を読まれてびっくりしたのかな。おれ、結構Aが考えてること分かるみたい。
「月が綺麗な夜には、狼に気を付けないとね？」
「、！餃子！あるからまって」
「むり」
「っ、きらい！」
「おれは愛してるよ」
「ばか」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 187人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ねぎ(プロフ) - ゆきさん» ゆきさん！終わらせてみました！ありがとうございます〜(; ;)わたしも恋しくなってきたので、またいつかこの2人でお話を書けたらなと思います！読んでいただきありがとうございました！別作品もよろしくお願いします！ (2022年6月21日 8時) (
レス) id: ad33ce073d (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - ついに終わってしまわれたのですね…！！！バタバタしていて、読むのが遅くなり、最終回とても寂しいです… 。もしまた機会があれば、続編等ご検討ください…！！！別作品の更新も楽しみにしております！ (2022年5月22日 22時) (レス) @page50 id: a9e1723e86 (このIDを非表示/違反報告)
ねぎ(プロフ) - 由乃（よしの）さん» わー！ありがとうございます！！！楽しんでいただけるような続きを書けるようにがんばります！！ (2022年1月11日 1時) (レス) id: 8a17a4a235 (このIDを非表示/違反報告)
由乃（よしの）(プロフ) - きゃあーたかくんがあああ！ 続き楽しみです！！ (2022年1月10日 21時) (レス) @page33 id: a4b9ddb561 (このIDを非表示/違反報告)
ねぎ(プロフ) - はなさん» え〜！ありがとうございます！！これからもバンバン出します！！！ (2022年1月8日 0時) (レス) id: 8a17a4a235 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
