さんじゅうさん ページ33
たかくんは、あたたかくて大きな手のひらで頬を撫でながら前髪から覗く凛々しい眉を下げてこちらをじーっと見つめてくる。
「当たり前のこと聞くけどさ、おこってる、よね」
「どうしたら許してくれる？」
仲直りしたいんだけど？と顔を近づけてきて。
少し冷静になった頭で考えたけどたかくんってなにも悪くなくて。強いていえば油断しすぎたってだけ。あと距離感近いのも。でも距離感は長年培って来たものだから突然変えろって言われても無理なのくらいわたしも分かる。だいたい、わたしがそうだし。
だから、たかくんが悪くないのはしっかり分かってるけど。でもやっぱりわたし以外の女の人とお仕事外でキスしたってことがすごく嫌で。
「許したくない」
なんて我儘が零れ落ちる。
我儘なわたしで手一杯になって、他の子のことなんて考える暇が無くなってしまったらいいのに。わたしだけを見ててほしい。
「そっか、じゃあ別れる？」
たかくんから発せられた言葉は想像もしていなかった言葉で。
さっき女の人と仲良くしてるのを見かけてしまった時と同じくらいの衝撃が走る。
目の前のたかくんはさっきまで八の字にしていた眉を元の位置に戻して。いつもみたく優しく笑っているわけでもなく。真剣な面持ち。
我儘が過ぎたのかも。それでもうめんどくさくなった？
それとも、我儘をいった魂胆を見透かされてた？わたしで手一杯になって、他の子のことなんて考えないでとか重すぎたのかな。
目頭が熱くて。瞬きをすれば水滴が頬に伝う感覚がする。
きっともうメイクは崩れてるんだと思う。この後の撮影に響くかもしれない、周りになんて言い訳しようか。
現実逃避をするかのようにグルグルと脳みその中で別れ話とはまったく関係の無いことが頭を駆け巡るけど、たかくんのまん丸の目と視線が絡んで、現実に引き戻される。
別れる？なんて言われると思わなかった。
もちろん、わたしはたかくんのことがどうしようもなく好き。誰かに取られたくないし、わたしのことだけを見ていてほしい。
でも、それによってたかくんの幸せが崩れてしまうのなら。
わたしは潔く身を引きたい。
「、たかくんがわかれたいなら」
「そう、じゃあ別れよっか」
そう、冷たく言い放たれて。視界がグルグルと回る。別れないと行けないんだ。
ソファーから立ち上がったたかくんはドアの方に向かってスタスタと歩いて行ってしまう。
やだ、行かないで。わたしの彼氏のままでいて。
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ねぎ(プロフ) - ゆきさん» ゆきさん！終わらせてみました！ありがとうございます〜(; ;)わたしも恋しくなってきたので、またいつかこの2人でお話を書けたらなと思います！読んでいただきありがとうございました！別作品もよろしくお願いします！ (2022年6月21日 8時) (
レス) id: ad33ce073d (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - ついに終わってしまわれたのですね…！！！バタバタしていて、読むのが遅くなり、最終回とても寂しいです… 。もしまた機会があれば、続編等ご検討ください…！！！別作品の更新も楽しみにしております！ (2022年5月22日 22時) (レス) @page50 id: a9e1723e86 (このIDを非表示/違反報告)
ねぎ(プロフ) - 由乃（よしの）さん» わー！ありがとうございます！！！楽しんでいただけるような続きを書けるようにがんばります！！ (2022年1月11日 1時) (レス) id: 8a17a4a235 (このIDを非表示/違反報告)
由乃（よしの）(プロフ) - きゃあーたかくんがあああ！ 続き楽しみです！！ (2022年1月10日 21時) (レス) @page33 id: a4b9ddb561 (このIDを非表示/違反報告)
ねぎ(プロフ) - はなさん» え〜！ありがとうございます！！これからもバンバン出します！！！ (2022年1月8日 0時) (レス) id: 8a17a4a235 (このIDを非表示/違反報告)
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