No.7 ページ7
『じゃあ、全部聞かせて。』
「......。」
『どうして、人を殺めたのか。なんで、私に教えてくれなかったのか。そして......私は逃亡のための道具?目くらまし?』
「それは違う......!」
『じゃあ教えてよ!私はずっと北斗と一緒に生きていきたかった!これからも北斗と生きていきたい!殺人犯だろうと関係ない!私はあなたと生きていきたいの!でも貴方と生きていくことは殺人犯と生きていくことなんだよ......普通じゃないよ。だから、だから、今までのこと全部教えて。』
「教えたら......俺のこと捨てない?」
『それは分からない。けど、教えてくれなきゃ始まらない。』
小さい子供、みたいだ。この綺麗な困り顔の下では何を考えているのだろう。驚くほどに冷静な自分にびっくりする。さっきまで私にキスして妖艶に笑っていたくせに、急に私を全力で離したくなさそう。変化に頭がクラクラする。
「殺してくれって、最初は言われたんだ。俺は嫌だったけど......急に眠らされて、朝起きたら血だらけの俺のシャツと手に持ってたナイフがあって、横に大金があったんだ。」
『それで、、、何回も?』
「ちがう、全部意識がないんだ。Aが帰ってきたときの記憶もない。」
『記憶が無いって、、、、、、どういうこと?』
「俺、、ココア頼む日あるだろ?」
『うん、いつも帰りが遅い日。』
「そう、その日全部、午後から記憶が無いんだ。それは初めて俺が人を、、、多分だけど殺した日から30日ずつ起きるんだ。さっきみたいにたまにふと記憶が飛ぶこともあるけど、基本的には30日ずつ。朝起きたら口が猛烈にAが入れてくれるココアを求めてるんだ。飲みたい、レベルじゃない。喉が張り裂けそうなほど、痛くて平静を装うのが苦痛なくらいなんだ。」
『てことは、物騒な事件って北斗が、、、、ごめん。もう一人の北斗が起こしてて、詳細は覚えてないってこと?』
「そう。」
「A。信じて。」
ファンタジーかよ、そう吐き捨てるには充分すぎる内容だ。記憶が無くなる?映画か小説かの話?
自分を正当化してる。頭がおかしくなってしまっている。そう捉えることも十分に出来たにに、私は、疑うことが出来なかった。
真っ直ぐ私を見て、北斗の瞳に反射する私と会話をした。
この人を信じてもいい?と。
瞳の中に私が、北斗の潤みで頷いていたから、
私は北斗を信じ抜く。
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作者名:Lee | 作成日時:2020年5月25日 20時