殺人鬼にココアを【黒】 (ページ2)

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そこから洗顔して、その間に北斗が作ってくれていた朝食を一緒に食べて、並んで歯を磨いてたらいつの間にか昼前。

『北斗、今日お仕事昼からだよね？』

「うん、もうそろそろ出かける。Aは今日休みでしょ？」

『私はだいたい日曜日休みです～』

「はいはい。」

また二人で笑いあって最後に軽く触れるだけのキスをして北斗を玄関まで送る。

「行ってきます。」

『気をつけてね。』

笑いながら家を出ていった北斗はいつもとなんも変わらない。幸せってこういうことなんだなと噛み締める日々がこのまま続けばいいのに。

北斗がいない間に、家事をして、足の指に赤いマニキュアを塗った。前北斗がこの色、なんか好き。と言った色だ。北斗がココアを頼む日は例外なく求められるから私も北斗が好きな風になろうと、北斗が好きな下着、ボディークリーム、ネイルで待っている。

私が健気に待っていることを前北斗に気付かれて、めっちゃ健気じゃんと馬鹿にするように言われて少し腹が立って拗ねたことがある。私が拗ねると北斗は私が好きなチョコレートとクッキーのお菓子と紅茶を入れて持ってきてくれる。私ってつくづくワガママな女だと思うけど、モテモテの北斗が私にそんなふうに優しくしてくれることは少し嬉しい。

アパレル関係の仕事についている北斗はいつもオシャレだ。私の服をコーディネートしてくれたり、記念日でもなんでもない日に服のプレゼントをくれたりする。

ここまで北斗のいい所をひたすら並べてきて思ったことは北斗が素晴らしすぎる彼氏だということ。

絶対に離したくないし離れたくないな～。

世界中が北斗の敵でも、私は北斗の味方だよ？なんてね。本人に言ったら笑うかな。