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気合い ページ10

『もぉー、泣くことないでしょ!』


石段に座りながら泣きじゃくってるタケミチ。

少し罪悪感が募って、少し謝った。


タケミチのすすり泣く声が耳につく。


私はポケットからタバコを取り出して、火をつけた。


煙はまっすぐ上に立ちのぼって夜の闇の中に消えていく。



『鬱陶しい、もう泣くな』


「…っ、誰のせいですか!」


閑散とした夜の神社に、タケミチの荒々しい声が響いた。


あの後、幹部の人やら周りの人達が神社を去って私とタケミチの2人きりになった瞬間に私は素に戻った。


"本当、ヘタレだな"


"そんなんでヨメのこと守れんのかよ"


"可哀想な奴"



と涙目のタケミチを見ていたら色々そそられて、罵倒し続けたらアイツはいきなり泣き始めた。


何かが切れたように子供のように泣きじゃくって、流石に私も焦る。


ま、マイッタナー。どうしよう。


『おら、もう泣くな……帰んぞ泣き虫』


ポケットから甘い匂いが付いたティッシュを取り出して、タケミチの顔面に押し付けた。


「…俺やっぱAさんのこと大っ嫌いです」


『そ、そんな…悲しいです』


「絶対思ってないでしょ」


よっこいしょ。と石段から立ち上がって歩き始めるとアイツも慌てて私の後ろを着いてきた。



私の事嫌いとか言っといた癖に犬みてぇに着いてくんじゃん。変なヤツ。


お互い黙ったまま歩いて、神社を出ようとした

その時だ。



「おいおい、お前……花垣タケミチだな?」


と鳥居の前に、数人の不良達がタケミチを待ち伏せしてたかのように出てきた。


タケミチお前、一体コイツらに何したんだよ。


相当怒ってんぞ?


不良軍団は鉄バットやドスやらと、色々な武器を持ってタケミチを見据えている。



「Aさん、先に帰っててください」


『それは出来ないかなぁ。タケミチくんが喧嘩終わるまで見守ってるね!』


「ここまでキャラ作んなくていいですから!」


私達がこんな茶番を繰り広げてる間に、不良の1人がタケミチに向かって拳を振り上げた。


"ドカッ"と鈍い音が響く。



「この前の仮、ここで返させてもらうぜ花垣!」


『きゃ、怖いよぉ!』


内心そんなこと1ミリたりとも思っていないが、一応キャラは通す。


「……ゲホッ、Aさんマジで逃げて!」


「よそ見してんじゃねぇーぞゴラァ!」


『頑張れ、タケミチくぅん!』


「オイ、誰か女の方も押さえとけ!あとでたっぷり教えこんでやる」


『きゃ、何で私までそんな事されるのぉ?』

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のの - 三途出たら面白そう (2023年4月26日 23時) (レス) @page9 id: 45d6e93948 (このIDを非表示/違反報告)
りな - 三途も出て欲しかったです (2022年12月18日 14時) (レス) @page8 id: d85abe7ad7 (このIDを非表示/違反報告)
奈々子 - ヒプマイバージョンも作って欲しいです飴村らむだにあわせたらぜったいおもしろそう (2022年7月31日 10時) (レス) @page15 id: 2f5361bf3f (このIDを非表示/違反報告)
M - ぶりっこかーうわぁって思いながら読んでみたら5ページ目で惚れましたありがとうございます (2022年6月30日 2時) (レス) @page5 id: 0bd2a9d625 (このIDを非表示/違反報告)
ぽいんせちあ(プロフ) - あ"ーーーー!!!気になるぅ!!!! (2022年6月19日 18時) (レス) @page47 id: 2e29fc010d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:光と慈雨 | 作者ホームページ:http:// http://uranai.nosv.org/gen.php/novel/  
作成日時:2021年9月21日 22時

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