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ユリイカ ページ19

半間が作ってくれた"消化に良さそうなもの"を口に含む。


『……うま』


アイツは私が黙々と食べている姿をジーと見ていた。


「これ貼っとくと良いらしいぜ」


『冷た…んだコレ?』


半間が私の前髪をかきあげて、突然デコに貼ってきたものを触る。

ぷにぷにして、スライムみたいな。


でも、今…物凄く暑かったから丁度良かった。


『ありがと、半間』


「え、キモすぎだろ」


いや、その反応は意味わかんねぇよ。


私が丁寧にお礼をしたら、アイツは険しい顔して、ドン引き。

何で?泣くぞ。


『てか、何かここ暑くない?』


風邪をひくと、やたら体温が上がるのがとても気持ち悪くて私はまた服を脱いだ。


「ばはっ、大胆だな。でもお前の下着姿とか見ても何も興奮しねェから安心しろ」


『知ってる』


「でも、風邪治したいんなら服はちゃんと着といた方がいいぞ〜」



そう言って、半間は私に脱いだ服をわざわざ着せてきた。

暑いって、煩わしいわ。


アイツは服を着せてくる最中、私の腹を見てポツリと。


「げっ、あん時の傷しっかり残ってんじゃん」


『かっこいいっしょ』


「何処が?」


痛そ。と呟いてその傷を指でなぞった。


てか、もうこの傷のことなんて忘れてたわ。


「なぁ、稀咲がお前のこと嫌ってる理由教えてやろうか?Aちゃん」


『どうせキモイとかウザイとか…そんなとこっしょ?』


「やっぱ無意識じゃねェか。稀咲可哀想〜」


ははっと声を上げて笑う半間。


何の事か分からないことをペラペラと。

ちゃんと説明してくれ。


「色々忘れてるっぽいから最初から教えてやんよ」


それから半間は淡々と私のやらかしてきた事を回顧した。


まずは…今年の夏の話から。


確か、あれは夏の夜にしては珍しく涼しい日だった。


そして、やけに闇深くて気持ち悪かった。



「Aちゃん、その夜……愛美愛主にレ〇プされそうになった女とその彼氏助けただろ?」



『確か、そんな事もあったような。けど、あれは助けたんじゃなくてイライラしてたから近くにいた奴らをぶっ飛ばしただけ』



「とち狂ってんな……!でも結果的にAちゃんが助けたことで東卍の参番隊の隊長はしっかり健在してんよ」



半間は回想にふけて、缶ビールを飲みながら楽しそうに喋っている。


え、どっから持ってきたそのビール?


そして東卍の参番隊とは。


誰のことかは知らねぇけど、私のおかげで愛美愛主と揉めなくて良かったじゃん。

いとをかし→←未定



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のの - 三途出たら面白そう (2023年4月26日 23時) (レス) @page9 id: 45d6e93948 (このIDを非表示/違反報告)
りな - 三途も出て欲しかったです (2022年12月18日 14時) (レス) @page8 id: d85abe7ad7 (このIDを非表示/違反報告)
奈々子 - ヒプマイバージョンも作って欲しいです飴村らむだにあわせたらぜったいおもしろそう (2022年7月31日 10時) (レス) @page15 id: 2f5361bf3f (このIDを非表示/違反報告)
M - ぶりっこかーうわぁって思いながら読んでみたら5ページ目で惚れましたありがとうございます (2022年6月30日 2時) (レス) @page5 id: 0bd2a9d625 (このIDを非表示/違反報告)
ぽいんせちあ(プロフ) - あ"ーーーー!!!気になるぅ!!!! (2022年6月19日 18時) (レス) @page47 id: 2e29fc010d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:光と慈雨 | 作者ホームページ:http:// http://uranai.nosv.org/gen.php/novel/  
作成日時:2021年9月21日 22時

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