イケメン枠返せ。 ページ32
三ツ谷side
「東卍の奴らにはマジで見られたくないから…！アイツらがいたら速攻下ろしてください、マジで」
『うるさいなぁ！何でそんなに私が嫌なわけ？』
"こんなに可愛いのに"と佐藤さんはそう言って、俺を抱えたまま歩き始めた。
真夜中の東京の街は静かで、雪がサラサラと降り落ちる音がやけに大きく聞こえた。
まるで2人だけの空間を作られているような気がして、恥ずかしかった。
クソ、俺だって男だぞ。
"佐藤さん"と言えども何でこんな華奢な女子に横抱きされて、家に送ってもらわなきゃなんねェんだ。
普通逆だろ…！屈辱的すぎる。
『なァ、三ツ谷……決戦どっち勝った？』
今まで黙っていた佐藤さんが、突然口を開いた。
無表情で……真っ直ぐ前を見てそう言った彼女。
もう結果なんて分かってるくせに。
「マイキーが来たんだ、東卍が勝つに決まってる」
『ふぅん』
佐藤さんはどこか遠くを見て、口角を少し上げた。
いや、何その表情。
マイキーに喧嘩売るとかマジでやめてくれよな？
東卍死ぬって。
謎の不安に胸が覆われた。
『てかさー、さっきから思ってたけど…お前ちゃんと飯食ってんのか？』
「……は？」
いきなり少女漫画に出てくるイケメン彼氏のような事を、サラッと言ってきた佐藤さん。
待て待て待て……！
俺をか弱なヒロインだと思っているのか？
いや、あの一応育ち盛りの中学生男子なんですけど。
「な、何でそんな事聞くんだ？」
ぎこちなく、笑って佐藤さんにそう聞くと……
『だってお前、めちゃくちゃ軽いんだもん。何か空気持ってるみてェだし』
と目線を俺に合わせながら、サラッと言った。
あ、察し。
ごめん、それはアンタが怪力なだけだわ。
俺が軽いんじゃなくて、アンタの力が異常なの。
これぞ女子力(物理的に)
あぁ、どうせならぶりっ子の方がまだマシだった。
もはや、あのキュルキュルした目でもう一度"三ツ谷くん"と見つめられたい。
目の前にいる"素の佐藤さん"は何だ？
性格も180度変わって…クズ、怪力、ドSのフルコンボ。
「知りたくなかった」
本当、佐藤さんは顔面の無駄遣いだ。
俺はやけくそになって、佐藤さんの首に手を回した。
さっきよりも綺麗な彼女の顔が近くなる。
『もー、隆くん見すぎ〜！』
「…うっ」
本当にウザイ。
無駄に顔がいいのも、何故か佐藤さんがかっこよく見えてしまうのも全部ウザイ。
あぁ、さっきから顔が熱い。
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のの - 三途出たら面白そう (2023年4月26日 23時) (
レス) @page9 id: 45d6e93948 (このIDを非表示/違反報告)
りな - 三途も出て欲しかったです (2022年12月18日 14時) (レス) @page8 id: d85abe7ad7 (このIDを非表示/違反報告)
奈々子 - ヒプマイバージョンも作って欲しいです飴村らむだにあわせたらぜったいおもしろそう (2022年7月31日 10時) (レス) @page15 id: 2f5361bf3f (このIDを非表示/違反報告)
M - ぶりっこかーうわぁって思いながら読んでみたら5ページ目で惚れましたありがとうございます (2022年6月30日 2時) (レス) @page5 id: 0bd2a9d625 (このIDを非表示/違反報告)
ぽいんせちあ(プロフ) - あ"ーーーー！！！気になるぅ！！！！ (2022年6月19日 18時) (レス) @page47 id: 2e29fc010d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：光と慈雨
| 作者ホームページ：http:// http://uranai.nosv.org/gen.php/novel/
作成日時：2021年9月21日 22時
