笑顔の破壊力 ページ10
「そうなのね」
お嬢さんさから同情を買おう作戦は成功したようだ。
というか、お金を拾った事をチクられるんじゃないかと心配していたがそれは杞憂だった。
「……不平等な社会よね」
『うん、まぁ』
彼女は、目を伏せて自分の事じゃないのに悲しい顔をした。
確かに、この時代は貧富の格差がよく現れている。
でも、この歳でそんな事に目を向けられるだなんて凄い優しい子なんだよなぁ。
てか、私の場合生まれつきの貧乏っていうか……ひょんな事からただの1文無しになっただけだから気にしないで!
別にそこまでお金関係で辛い思いはしてないから、ちょっとこっちが罪悪感。
いや、お金には困ってるんだけどさぁ。
私とお嬢さんは市場を散策しながら、暫く他愛のないことを話していた。
「ここでは東洋の方はあまり見ないから、つい声をかけてしまったの」
"急に声かけてごめんなさい"
と唐突に謝るお嬢さん。
いやいや、なぜ謝る!
こんな可愛い女の子と喋ったのは久しぶりだったし、元気でたし寧ろ感謝なんだが。
『のーぷろぐれむってやつですよ、お嬢さん!』
そう言って私が笑うと、彼女もつられて微笑んだ。
うん、マジ可愛い。
『えっとお嬢さんはこの市場で買い物を?』
「そう、お使いを頼まれたの」
『へぇ、じゃあここから割と近い所に住んでるんですね』
そう聞くと彼女は小さく頷いた。
宝石みたいに光る長い金髪に、やわらかな青い瞳が特徴的な女の子。
容姿端麗なんて言い表せない程の美少女に微笑まれたら、女の私でさえキュンとくる。
見た目がレベチなんよ、もう。
『私、如月Aっていいます。じゃぱにーずです!よろしくお嬢さん』
「よろしくA。でも、私はお嬢さんじゃあないわ」
クスッと笑って彼女が続けた。
「エリナ・ペンドルトンよ」
『わぁ、可愛い名前』
聞くとエリナちゃんは私と同い年らしい。
家も近いし、優しさの塊のエリナちゃんとは仲良く出来そうだ。
「何かあったらいつでも私を頼って。お友達なんだから」
『ひぇ』
ジョジョの世界線にもこんな優しい子がいるなんて、まだまだこの世界も捨てたもんじゃないなと思った。
今まで私が極悪人(ジョジョ3部悪役)とばかり関わってきたので、心が洗われた。
『私は特に何も出来ないモブだけど、エリナちゃんに呼ばれたら全力で駆けつけるよ』
「ふふ、Aって面白いのね」
いやん、笑顔が最高に可愛い…。
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金糸雀@Twitterよろ(プロフ) - 全ての出会いに感謝 (2月28日 3時) (レス) @page25 id: 8c9d2cd7b3 (このIDを非表示/違反報告)
地獄の番人 - 本当、好き (2023年4月19日 17時) (レス) @page44 id: 7578fd3293 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - 最高です!!! (2023年2月25日 12時) (レス) @page41 id: 5ceee3abc4 (このIDを非表示/違反報告)
光と慈雨(プロフ) - 餡さん» 沢山書いてくれてありがとうございます!嬉しい言葉ばかりで感動しました、これからも頑張ります🥹 (2023年2月18日 21時) (レス) id: 6671bb5b60 (このIDを非表示/違反報告)
餡(プロフ) - とはいえこんなに素敵な物語を執筆し、その上完結に至るまでには、 相当な思考と時間を要したかと思われます!本当にお疲れ様でした。「吸血鬼とモブJK3」の今後の展開も楽しみです。これからも陰ながら応援させて頂きます…!😭💖長文、失礼致しました。 (2023年2月15日 23時) (レス) id: 493b9f8f47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:光と慈雨 | 作者ホームページ:http:// http://uranai.nosv.org/gen.php/novel/
作成日時:2023年1月27日 0時