吸血鬼とモブJK 3【ジョジョの奇妙な冒険】

forget her ページ41

『何やってんだよもう、明日記憶があったら絶対黒歴史だかんな？アホか！』


「……待て」


そのまま走って帰ろうとしたが、私の腰に回っている手がそうさせてくれない。


なんなら、さっきよりも力を強められてグイッと腰を引き寄せられた。


『ちょ、っ』


距離が一気に近くなって、私は顔を逸らす。


さっきのキスと言い、これといい……ディオは私の事をからかっているのだろうか。


酔ってることもあって、テンションに拍車がかかっているのもあるだろう。


私が喪女だから反応を見て楽しんでいるのか？ってか、私は喪女ではない。


「こっち向けよ」


『唐突のイケボやめて』


そう言って彼の胸板を押した瞬間、ディオに顎を掴まれ顔の向きを変えさせられた。


緩んだ瞳と視線が絡む。


バクバクと自分の心臓の音が早くなるのが聞こえた。



『待って近い近い、バグってるよ？』


「随分と顔が赤いなA？」


『あ"ぁぁ、何なのもう！』


耳元でこんな風に囁かれて、ぶわっと顔に熱が集まった。


性格はゲロ以下だけど、一応ディオは美人なもので私は無事死亡。


もしかしてディオは最初からこれを狙っていたのか？


これは、いつもディオの計画の邪魔ばかりする私を屈服させるための手段なのかもしれない。


もしかして酔っているのも演技か？


何処から本当で何処まで演技なのか、もはやわからない。


『新手のハニトラかな？』


腰に回っている手を中々離してくれないディオ氏。


『ちょっともう帰りたいんですけど……ッ！？』


突然、ドレスから露出している私の足をツゥーと撫でるように触れられた。


｢フッ、いい反応じゃあないか｣


そう言って手をどんどん上へ上げてくる。


その瞬間、無意識に私はディオを殴ってしまった。




｢……おい｣


『あ、ごめん。っていやいや明らかにお前が悪いよねぇ！？君の顔が顔面国宝じゃなかったら速攻捕まってたからねコレ！』


一気に衝動のままに叫び、"ドンッ"とディオを思いっきり押して私は離れた。



『タンスの角に小指ぶつけな！』


そう言って私は全力疾走し、自宅へ帰還した。


ただ、私は親切に酔っ払いを介抱しただけなのにこんな事になって疲れた。


さっきのはハニトラなのか、ディオが本当に酔っ払っていたかなんてこの際どうでもいい。


ただ、あの端麗な容姿に少しでもぐらついた自分が恥ずかしかった。


あんなに可愛かったディオ・ブランドーくんが不健全に育って私は悲しいぞッ！

I’ll call you mine→←わっつはっぷん

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