検索窓
今日:15 hit、昨日:9 hit、合計:36,070 hit

ダジャレ ページ37

『あ、こんなところにいたのかよ』


ダンスの会場を出て、突き当たりを右に曲がった所に広いテラスがある。

ライトアップされて、光るガーデニングが綺麗な場所だった。


何台かミニテーブルと椅子が用意されてあって、1番目立つところにディオは座っていた。


『ジョジョが心配してたから、代わりに見に来た』


ガラリと椅子を引いて、ディオの隣に座る。


特に反応はなかった。

私に顔を背けて、遠くを見ていた。


遠くっていうか、上と表現した方がいいかもしれない。


今日は綺麗な夜空だった。満天の星が高く光っている。


その景色に何処か、懐かしさを感じた。



『……みかん星はまだ未完成』


「つまんな」


『結構、上手いこと言った気がするけどな』


私の渾身のダジャレにディオは、くるりと振り返った。


勿論、彼の顔は真顔だったけれど。



「……長い夜は皆が居よる」


『おお!』


確かに、ディオの方が一つ上手だった。


ボソッと呟いたそのダジャレに少し感動していると、突然私の右肩に重みが。


『え?』


え?


重さの物体を確認すると、私はピキリと固まった。


『え?』


見間違いだろうか。



あんなにプライドの高いディオが私の肩にもたれ掛かるという、無防備なことは決してするはずがない。


おかしいな、頭でもぶつけたか?



『えーっと、ディオ・ブランドーくん?』


「……どいつもこいつもバカばっかだ」


『おっと、キミ酔ってるね?』


「無知な令嬢はまるで親の操り人形だ。盛装して、お互い顔を見合せ、利口か馬鹿かを察知して相手を選ぶ。……本当くだらないよなぁ」



疲れと酔いの半ばで朦朧としているのか、彼はこの舞踏会___いや、この社会に対する愚痴が止まらなかった。




私の肩にもたれながら愚痴を吐くだなんてこと……普段の彼なら絶対にしないからこそ、アルコールは恐ろしいものだ。


きっと、酔いが覚めたら黒歴史になるだろう。


『水、取ってくるよ』


アルコールを少しでも分解すれば、冷静になるかと思った。

私は立ち上がろうと、そこ離れようとした。


が、彼は酔うと結構面倒な大型犬だったようで。


「行くな、ここにいろ」


ドレスの裾を引っ張られて、離れるも離れられなかった。


おいおいおい、ディオお前……絶対明日の朝、思い出して死にたくなるやつだぞソレ!



第一、ディオは私のことあんま好きじゃないのに大丈夫か?


『あぁ、もう。良くないよ本当』


飲みすぎだっての。

落花→←苦労



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (148 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
185人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

金糸雀@Twitterよろ(プロフ) - 全ての出会いに感謝 (2月28日 3時) (レス) @page25 id: 8c9d2cd7b3 (このIDを非表示/違反報告)
地獄の番人 - 本当、好き (2023年4月19日 17時) (レス) @page44 id: 7578fd3293 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - 最高です!!! (2023年2月25日 12時) (レス) @page41 id: 5ceee3abc4 (このIDを非表示/違反報告)
光と慈雨(プロフ) - 餡さん» 沢山書いてくれてありがとうございます!嬉しい言葉ばかりで感動しました、これからも頑張ります🥹 (2023年2月18日 21時) (レス) id: 6671bb5b60 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - とはいえこんなに素敵な物語を執筆し、その上完結に至るまでには、 相当な思考と時間を要したかと思われます!本当にお疲れ様でした。「吸血鬼とモブJK3」の今後の展開も楽しみです。これからも陰ながら応援させて頂きます…!😭💖長文、失礼致しました。 (2023年2月15日 23時) (レス) id: 493b9f8f47 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:光と慈雨 | 作者ホームページ:http:// http://uranai.nosv.org/gen.php/novel/  
作成日時:2023年1月27日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。