ドユコト ページ12
『うっ、痛そ』
ディオがジョジョの左目に思いっきり指を食い込ませて、目潰しの如く殴ったのを私はこの目でしっかり見た。
おいおい、そこまでしなくても…!
なんて思ってもルール上勝ったのはディオなので、私は何も言えない。
勝者のディオくんがチヤホヤされているところ、隣で蹲っているジョジョに私は駆け寄った。
そして目線を合わせるように、しゃがむ。
『おーい、大丈夫?いや、大丈夫じゃ無さそうだね』
「A…?見にこないって言ったじゃあないか」
左目を抑えて、ジョジョは気まずそうに私から目を逸らした。
うん、そう。本当はジョジョのカバンだけ置いて帰ろうと思ってました。
そんな事言ったら傷口に塩を塗るみたいだったので、今回ばかりは口を慎んだ。
『ハンカチ使いなよ』
綿の青いハンカチをジョジョに差し出すと、無言で受け取ってくれた。
そして、暫くして彼は立ち上がると、覚束無い足取りで歩き始めた。
「…ごめんA、もう帰るよ」
『っと、ジョジョ大丈夫かー?私が家まで送るって!』
ふらつくジョジョを慌てて支える。
「なんか恥ずかしいな」
『そんな事ないって、お屋敷まで無事に運んだげるから任せろ』
パシッと胸を張ってそう言うと、ジョジョは照れくさそうに笑った。
そ、我ら友達ってやつだから。
右手でジョジョを支えて、左手はジョジョの学校カバンを持って……とこんなに体に負荷かけたのいつぶりだっけ。
ぼんやりとそんな事を思いながらゆっくり歩いていると、私達の目の前に立ち塞がる人物が。
おいコラ、道塞ぐな。通れんぞ!
「女の手を借りて、恥ずかしくないのかジョジョ…?」
腕を組んで悪い笑みを浮かばせているのは、ディオ・ブランドーくん。
君も相変わらずジョジョのこと好きだな。
絡みすぎにも程がある。もう帰ったかと思ってたよ。
「ディオ…っ!Aに対する無礼はやめるんだ!」
『まぁまぁ、落ち着け』
いつものように睨み合っている2人に、ついため息が漏れた。
仲良くしてくれたらこっちも楽なのになぁ…。それは絶対無いと思うけども。
普通に私のただの願望。
「でも、ディオはAのことを女と言って……!」
『うん?』
ジョジョの言語が一瞬、理解できなかった。
"Aのこと女って言って…?"
え、それの何がおかしいのかな?
「Aは背は小さいが、立派な紳士だ!無礼は許さんッ!」
『待て待て、ドユコト?』
185人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
金糸雀@Twitterよろ(プロフ) - 全ての出会いに感謝 (2月28日 3時) (レス) @page25 id: 8c9d2cd7b3 (このIDを非表示/違反報告)
地獄の番人 - 本当、好き (2023年4月19日 17時) (レス) @page44 id: 7578fd3293 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - 最高です!!! (2023年2月25日 12時) (レス) @page41 id: 5ceee3abc4 (このIDを非表示/違反報告)
光と慈雨(プロフ) - 餡さん» 沢山書いてくれてありがとうございます!嬉しい言葉ばかりで感動しました、これからも頑張ります🥹 (2023年2月18日 21時) (レス) id: 6671bb5b60 (このIDを非表示/違反報告)
餡(プロフ) - とはいえこんなに素敵な物語を執筆し、その上完結に至るまでには、 相当な思考と時間を要したかと思われます!本当にお疲れ様でした。「吸血鬼とモブJK3」の今後の展開も楽しみです。これからも陰ながら応援させて頂きます…!😭💖長文、失礼致しました。 (2023年2月15日 23時) (レス) id: 493b9f8f47 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:光と慈雨 | 作者ホームページ:http:// http://uranai.nosv.org/gen.php/novel/
作成日時:2023年1月27日 0時