Tell me ページ30
だから母は父を思い出すような事を嫌った。
カメラを持っているところを母に見られたら、嫌な顔をされるので普段は隠して持ち歩いていたし。
そんな母に『写真家になりたい』なんて言ったら間髪入れずに反対される。
きっと、彼女は私に公務員とか安定した職に就いてほしい気持ちでいっぱいなのだろう。
父がもし生きていたのならば私の夢を応援してくれたのになぁ……なんて。
同じような毎日の繰り返しで、つまらない私の人生を変えてくれたのが"カメラ"で
唯一私が他人より優れているところをあげるとすれば、それは"写真"なのだ。
本当は母に自分のやりたい事を言いたい。納得させたい。
けれど、私は相手の反応を恐れて行動できなかった。
きっと私がモブCと固定される理由はこれであろう。
大事な場面で一歩踏み出す勇気があるかどうか。
主人公との圧倒的差はこんなにも単純で明解なものであった。
"麦わら帽子の優しい海賊でも鬼刈りの少年でも誰でもいいから、私の目の前に現れて"
そんな事を思いながら、薄暗くなった学校の帰り道を歩いていたら______
何かに躓き、盛大に転けてしまってこの世界に来て、現在に至る。
そして私の前に現れたのは麦わら帽子の海賊でも、鬼刈りの少年でもなく、性格ゲロ以下の吸血鬼であった。
よくも知らない漫画の世界観に加え、ヒーローとは無縁の悪役が登場ときたらもう……ね?
その見た目"だけ"は良い吸血鬼はどの漫画の悪役よりも死ぬほど自己中で態度がでかい生き物だった。
最初は気味が悪かったが、今はそうでも無い。
依然として自己中ではあるが、その吸血鬼は結構知的でそしてたまに私に優しい。
別に今はそこまで嫌いじゃない。
『ってこと』
「………は?」
一通り話終わるとDIOは
まるで、私が何かおかしな事でも言っているかのような、意味が分からない!と声を大にして言いたげな表情をしていた。
確かに初見殺しと言えるくらい変な話かも。
自分の夢の話からいきなりジョジョの話に飛んだし。
「A、貴様話も嘘も下手くそだな」
『話は本当なんだって!』
"はぁ〜?"とため息をついて眉間に皺を寄せるDIO。
私が虚言癖の精神疾患持ちだと思われている模様。
『別に私の話の内容っていうより、ただDIOに聞いて欲しかっただけだから!』
「ますます分からないな」
『えっと、とりあえずDIOはジョースターさん達に殺されないように!…ってこと』
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俺☆ - やばいめっちゃ面白いのにめっちゃ感動してる。何だこれ。 (2023年1月5日 11時) (レス) @page50 id: b2c114123d (このIDを非表示/違反報告)
Earthあーす(プロフ) - あれなんか目がナイアガラの滝になってる (2023年1月4日 18時) (レス) @page43 id: 0fcf2cea39 (このIDを非表示/違反報告)
しらとめ(プロフ) - 面白いのになんとなく泣きそうになってきます (2022年11月28日 17時) (レス) @page35 id: 353a651934 (このIDを非表示/違反報告)
地獄の番人 - DIOの代わりに空条承太郎パイセンとくっついちゃいましょう!!面白かったです。続きを楽しみに待ってます!! (2022年11月28日 1時) (レス) @page33 id: d126292683 (このIDを非表示/違反報告)
ペトリ皿(プロフ) - やばい。展開も何もかもが面白すぎる。 (2022年11月27日 18時) (レス) @page32 id: cbc38767b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:光と慈雨 | 作者ホームページ:http:// http://uranai.nosv.org/gen.php/novel/
作成日時:2022年9月5日 23時