ハンハリーリ ページ8
『ハンハリーリ?カイロ?』
「本当に知らなかったのか!?」
『へぇ、なるほどね。ここはエジプトのハンハリーリという市場なのか』
「いや、アンタ観光客なのに何でそんな事も知らねぇんだ!」
気づいたらここにいて〜、なんて言えるわけがない。
ここのお爺さんにはタダでさせ変な女だと思われてんのに、そんな事言ったら変な女から頭のおかしい奴に昇格してしまう。
『よりによってエジプトって…。世界線は違えど、せめて日本にしてくれよ』
私は本日二度目の深いため息をついた。
お金もねぇ、居場所もねぇ、オマケに戦闘力もねぇ……
こんな何も無い状態でどうしろっていうんだ。
トリップ特典でスタンド攻撃は効かないものの、私はスタンドなんか使えないし。
「おっ、可愛い売り子さんじゃないの!店主、そこの銀の皿3つ!」
お爺さんの隣に座ってボケっと、とりとめのないことを考えていると丁度お客さんが来た。
私の事をこの店の売り子と間違えているのか、
"可愛い売り子ちゃんの為にもこれも買っちゃお〜"と親切に店の売上に貢献するお客さん。
いや、すまん私…全然部外者なんですよ。
ただ行き場がないから、この店で休んでいただけの浮浪者ってね。
「じゃ、またね嬢ちゃん!はい、これチップ」
『えっ、マジすか!?』
わぉ、何もしていないのにお金を貰っちゃったよ。
帰り際、お客さんが私の手に乗せてきた1枚の紙幣。
この紙幣がどのくらいの価値かも分からないけれど、物凄く重みを感じた。
最高にラッキー!
「店主、皿ありがとう。また来るよ!」
『ありがとうございましたぁ!』
帰り際の太客にガバッと勢いよく頭を下げて見送る。
ここまで来ればもはや公式の売り子じゃん。
というか、私はここで働いた方がいいのでは?
店に若い女がいれば何か景気良くなるし、私もお金が手に入るし…というウィンウィンの関係ってやつよ!
そうと決まれば店主に相談だ。
_______________
『……って事で私をここで働かせてください!』
「おぉ、勝手にせい。」
『え、いいの?判断めっちゃ早くね?』
てっきり千と〇尋の神隠しの千と湯婆婆が繰り広げる言い争いにまでなると思ってたんだけど。
ついでに私の名前も簡単に添削されるのかと思ってたわ。
『いや〜、超助かるわ!今日からよろしく、名前はAって言います!』
「よしA、しっかり働くんじゃぞ!」
『いえっさー!』
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わるび - 読み始めました。ふたりも見守るキャラクター達も凄く可愛らしくて、家族が居るのに笑ってしまいました( *´艸`)素敵な作品を作ってくださり、ありがとうございます!ほのぼのと癒されました。 (2022年9月23日 20時) (レス) @page50 id: 08dad0f4f2 (このIDを非表示/違反報告)
処刑人 - 夢主さん・・・・頑張れ骨があったら拾っときます。 (2022年8月24日 14時) (レス) @page41 id: 37fa50b5c3 (このIDを非表示/違反報告)
夢主さんファンクラブ2番!!地獄の番人 - ツルツルピッカーん!!労宮を押すと確かに痛い (2022年8月22日 5時) (レス) @page37 id: 37fa50b5c3 (このIDを非表示/違反報告)
ラウル(プロフ) - 夢主さんファンクラブ2番!!地獄の番人さん» 色々と嬉しくて禿げます(?) (2022年8月21日 15時) (レス) @page36 id: cb2141a780 (このIDを非表示/違反報告)
夢主さんファンクラブ2番!!地獄の番人 - ラウルさん作品とか関係ない、やりたきゃやればいいのです✨返信ミスではありませんよウフフ♥ (2022年8月21日 8時) (レス) id: 37fa50b5c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:光と慈雨 | 作者ホームページ:http:// http://uranai.nosv.org/gen.php/novel/
作成日時:2022年8月5日 18時